第9回ベネッセ賞 アドリアン・ビジャール・ロハスが受賞

2011年6月3日、第9回ベネッセ賞が第54回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展アルゼンチン代表作家、アドリアン・ビジャール・ロハスに授賞された。

ベネッセ賞は、株式会社ベネッセホールディングスがヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の参加アーティストを対照に1995年より次代を担うアーティストの支援を目的に授与している。今回は同ビエンナーレにおいて既成概念にとらわれない実験・開拓精神に富んだアーティストとして評価されたアドリアン・ビジャール・ロハスが受賞した。審査員にエルヴェ・シャンデス(カルティエ現代美術財団総合ディレクター)、キャロライン・クリストフ=バカルギエフ(ドクメンタ13、アーティスティックディレクター)、ル・ジェ(ロングマーチ・プロジェクト、チーフキュレーター)、北川フラム(瀬戸内国際芸術祭総合ディレクター)を迎え、同ビエンナーレ全参加作家・作品から、受賞者を選考した。


Argentina – El asesino de tu herencia: Adrián Villar Rojas

アドリアン・ビジャール・ロハスは1980年ロサリオ(アルゼンチン、サンタフェ州)生まれ、ブエノスアイレス在住。スペイン語圏・欧米を中心に世界各地で活動している。今回はアルセナーレ内のアルゼンチン館で泥を使った大型の彫刻作品を見せている。荒い表面の彫刻作品は、具象彫刻でありながら主題が判別できず、異界のものを想起させる。

今回はクリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル大統領がヴェネツィアを来訪し、アルセナーレ内「Sale d’Armi」に永久的な展示スペースとしてのアルゼンチン館を設けることについての契約を交わしている。こうした展開も併せ、アルゼンチンは今後、文化政策に力を入れていくことが予想される。


Argentina – El asesino de tu herencia: Adrián Villar Rojas

ベネッセ賞受賞者には賞金100万円が授与されるとともに、ベネッセアートサイト直島での作品制作の機会も与えられる。

(文中敬称略)

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