マニフェスタ11、チーフ・キュレーター発表

2014年11月14日、マニフェスタ財団ディレクターのヘドウィグ・フィジェンは、2016年チューリッヒ開催のマニフェスタ11のチーフ・キュレーターに、アーティストのクリスチャン・ヤンコフスキーを任命したと発表した。

クリスチャン・ヤンコフスキーは、1968年ゲッティンゲン(ドイツ)生まれ。現在はベルリンを拠点に活動している。2011年秋に東京都現代美術館で開催された『ゼロ年代のベルリン―わたしたちに許された特別な場所の現在(いま)』に出品した、バチカンの司祭らが審査員を務め、キリストにふさわしい俳優をオーディションする映像作品「キャスティング・ジーザス」(2011)のように美術以外を専門とする人々と協力したパフォーマティブな作品を映像や写真など多様な形式で発表している。また、2013年の第5回恵比寿映像祭で発表した「ドバイの瞳」(2012)や「人類の行進に涙する」(2012)のようなテレビ局の協力を得て制作された作品も含め、ヤンコフスキーの作品は、マスメディアが主導するスペクタクルを基調とする社会を反映するとともに、美術にも浸透しているそうしたスペクタクルに対して脱構築や批判を試みている。

アーティストとしては、初めての単独のチーフ・キュレーターに任命されたヤンコフスキーは、古くから芸術や知に対して開かれ、革新的な政治、芸術運動を生み出してきたチューリッヒを舞台に、都市空間や社会におけるアートの役割を再検討し、いわゆる現代美術の枠組みの外の観客にまで働きかけるアプローチが期待されている。

来月11日に、クリスチャン・ヤンコフスキーの就任会見がチューリッヒにて行なわれる予定。

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