第7回ベルリン・ビエンナーレのキュレーターはポーランド人のアーティストに

2012年に行われる第7回ベルリン・ビエンナーレのキュレーターはポーランド人アーティスト、アルトゥール・ジミェフスキに決定した。

ジミェフスキは1966年ワルシャワ生まれ、主にドキュメンタリービデオや写真を使って社会や政治のシステムについて問いを投げかける作品を発表している。
また、政治・出版活動を行う団体「クリティカ・ポリティチュナ」に所属するアクティビストとして活動している。ジミェフスキは第5回ベルリン・ビエンナーレの参加作家でもあり、ベルリン・ビエンナーレがキュレーターとしてアーティストを起用するのは第4回のマウリッツォ・カテラン以来、2回目。

日本では最近、ヨコハマ国際映像祭2009『CREAM (Creativity for Arts and Media)』(2009/10/31–11/29)と京都国立近代美術館『Trouble in Paradise/生存のエシックス』(2010/7/9–8/22)に「デモクラシーズ」(2009)を出品。ワルシャワ、ベルリン、パレスチナを中心とした各地の公共空間において、あらゆる主張や背景を持つ人々が発言をする様子を記録する短編ドキュメンタリー映像20点から成る約2時間の映像作品である。

ジミェフスキの起用は、今年2010年に行われた第6回ベルリン・ビエンナーレの流れ――東欧の作家による作品を通して、ヨーロッパの現実を見せる――を踏襲するものであり、ベルリンが東欧との交流の入口として機能する現実を反映したビエンナーレとしての性格を持つことを決定づけたと言える。

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