第5回モスクワ・ビエンナーレ

2013年9月20日、第5回モスクワ・ビエンナーレが開幕する。テーマは「Bolshe Sveta/More Light」で、キュレーターはキャサリン・デ・ゼーガーが務める。

モスクワ・ビエンナーレは2003年にロシア政府の文化政策「Culture of Russia」の一環として設立され、2005年に第1回目が開催された。第1回目と第2回目には第3回目以降はアーティスティック・ディレクターを務めるヨセフ・バックシュタインを中心に国際的なキュレーター・チームが編成され、第3回目はジャン=ユベール・マルタン、前回はピーター・ウェイベルがキュレーターを務めた。
今回キュレーターを務めるキャサリン・デ・ゼーガーは、ニューヨーク近代美術館ドローイング部門及びアントニ・タピエス美術館のゲストキュレーターで、これまでに第47回ヴェネツィア・ビエンナーレのベルギー館コミッショナー、第18回シドニー・ビエンナーレの共同ディレクターなどを歴任。第55回ヴェネツィア・ビエンナーレではオーストラリア館のキュレーターを務めている。

デ・ゼーガーが掲げるテーマは「Bolshe Sveta/More Light」。現在の資本や父権制が支配する時空間に代わる新しい時空間を探求するため、人々の対話や行動を刺激するようなさまざまな空間や時間に対するコンセプトが交差するプラットフォームを目指す。デ・ゼーガーは、個人主義や自立、アイデンティティと差異に力点を置いていた近代には、「否定」こそがラディカルな批評の基本とされ、そのような批評は現在や未来よりも常に過去を向いていたのだと捉える。そこで、「Bolshe Sveta/More Light」では、過去—現在—未来の連続の新しい捉え方を観客に提唱し、私たちの社会が抱える大きな問題に光明を投じていく。

上述した第55回ヴェネツィア・ビエンナーレのオーストラリア館で個展を開催しているシムリン・ギルや、前回のヴェネツィア・ビエンナーレで第9回ベネッセ賞を受賞したアドリアン・ビジャール・ロハス、現在あいちトリエンナーレ2013にも参加しているソン・ドン[宋冬]や同じく現在金沢21世紀美術館で展示中のイザベル&アルフレド・アキリザン、そのほか、エイヤ・リーサ=アハティラ、モナ・ハトゥーム、アマル・カンワル、N.S.ハルシャ、イン・シウジェン[尹秀珍]、マーストリヒト(オランダ)在住のスーチャン・キノシタ、ニューヨーク在住の小野田麻弥など72組が参加する。

第5回モスクワ・ビエンナーレ
2013年9月20日(金)-10月20日(日)
http://5th.moscowbiennale.ru/

Copyrighted Image