石元泰博 死去(1921-2012)

2012年2月6日、戦後日本を代表する写真家石元泰博が東京都内の病院で死去した。享年90歳。
1921年サンフランシスコ生まれの石元は、幼少期に一時日本へ帰国し、1939年に再び渡米。第二次世界大戦中にコロラドの日系人収容所にて写真を学ぶ。戦後入学したシカゴ・インスティチュート・オブ・デザイン(現イリノイ工科大学)写真学科ではモホリ・ナギ賞を二度受賞している。1953年に日本へ帰国、代表作のひとつとなる桂離宮の撮影を開始する(1960年には建築家の丹下健三らとの共作「桂 日本建築における伝統と創造」を刊行)。その後も、1957年の第1回日本写真批評家協会作家賞、1969年には写真集「シカゴ・シカゴ」で毎日芸術賞を受賞。1996年には文化功労者顕彰に選出、2005年に紫綬褒章を受章するなど数多くの賞や名誉を手にしている。近年も東京都写真美術館(1998)、シカゴ美術館(1999)、高知県立美術館(2001)など国内外の美術館にて個展を開催。一万点以上にも及ぶ全作品は、2004年より順次高知県立美術館に寄贈されている。

(文中敬称略)

Copyrighted Image