川俣正、奈良美智が平成24年度芸術選奨文部科学大臣賞を受賞

2013年3月12日、文化庁は芸術各分野における優れた業績またはその業績による各部門の新生面の開拓を成し遂げた芸術家等を選奨する、芸術選奨文部科学大臣賞及び同新人賞の受賞者を発表した。
美術部門では、選考審査員及び推薦委員により推薦された大臣賞候補者12名、新人賞候補者14名のなかから、第一次、第二次選考審査会の議論の結果、大臣賞に川俣正、奈良美智、同新人賞に川内倫子が選出された。大臣賞には賞状と賞金30万円、新人賞には賞状と賞金20万円がそれぞれ贈られる。
川俣は1953年北海道生まれ。廃材などを用いて、場所の社会的、歴史的意味を踏まえて構想された仮設構築物の作品で知られ、国際的にも高い評価を得ている。授賞対象は昨年から今年にかけて行なわれた『川俣正 Expand BankART』が挙げられているが、加えて、同展に展示された過去の業績を総括する記録も授賞の一要因となった。奈良は1959年青森県生まれ。1980年代中頃より絵画やドローイングを中心に多彩な制作を続け、挑戦的な眼差しの子供の絵が代表作として知られる。授賞対象は横浜美術館を皮切りに国内を巡回する『奈良美智:君や 僕に ちょっと似ている』。初挑戦となったブロンズ彫刻を含め、過去の実績に甘んじることのない創作意欲と新境地を示す展覧会として高く評価された。新人賞受賞の川内は1972年滋賀県生まれ。東京都写真美術館で昨年行なわれた『川内倫子展 照度 あめつち 影を見る』が授賞対象。
そのほかの部門の受賞者及び贈賞理由は文化庁ウェブサイトを参照。贈呈式は3月18日に如水会館(東京都千代田区)にて行なわれる。

文化庁:http://www.bunka.go.jp/

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