第17回文化庁メディア芸術祭、受賞作品決定


アート部門 大賞: カールステン・ニコライ「cry mgn」 © 2013 Carsten Nicolai. All Rights reserved Photo: Uwe Walter, Courtesy Galerie EIGEN + ART Leipzig/Berlin and The Pace Gallery

2013年12月5日、第17回文化庁メディア芸術祭の受賞作品の発表が国立新美術館にて行われ、アート部門の大賞はカールステン・ニコライが受賞した。

文化庁メディア芸術祭は、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門において、優れた作品を顕彰するとともに、受賞作品の鑑賞機会の提供を目的としている。本年度は過去最多となる83の国と地域から4,347作品の応募が寄せられた。今回、アート部門の審査員を務めたのは、植松由佳(国立国際美術館主任研究員)、岡部あおみ(美術評論家)、後々田寿徳(キュレーター/梅香堂オーナー)、高谷史郎(アーティスト)、三輪眞弘(作曲家/情報科学芸術大学院大学教授)の5名。

カールステン・ニコライは1965年カール=マルクス=シュタット生まれ。自然科学的な法則や規則に影響を受け、グリッドやコードといった数学的なパターンや、エラーやランダム、そして自然の自己生成システムといったものを活用した作品を制作している。受賞作「crt mgn」は、テレビモニタや音響機材を用いて、日常では人間が感じることのできない電磁波を、視覚と聴覚で捉えることを可能にするメディアインスタレーション。今回、既に国際的に活躍するアーティストであるという点が考慮されつつも、同作品がメディアの歴史を踏まえた比類なき傑作として評価された。

優秀賞には、三原聡一郎のメディアインスタレーション「 を超える為の余白」、ジェームズ・ブライドルの開設したウェブサイト「Dronestagram」、リミニ・プロトコルの「Situation Rooms」、ベネディクト・グロースの「The Big Atlas of LA Pools」が選出され、新人賞にはラオ・ホチィ、アモール・ムニョス、アイメリック・マンスーがそれぞれ選出された。これらの受賞作品および審査委員会推薦作品は、来年2月5日から16日まで国立新美術館を中心に開催される受賞作品展に出品される。

また、エンジニアとしてナム・ジュン・パイクの制作に関わり、CalArtsや武蔵野美術大学の講師を務めた阿部修也や、日本のビデオアートの草分け的存在として知られる松本俊夫らへの功労賞の授賞も発表された。

第17回文化庁メディア芸術祭:http://j-mediaarts.jp/

第17回文化庁メディア芸術祭
2014年2月5日(水)-2月16日(日)
国立新美術館ほか
http://j-mediaarts.jp/
開館日時:10:00-18:00(金曜は20:00まで)最終入場は閉館30分前まで
休館日:2月12日(水)

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