大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015


Ilya&Emilia Kabakov The Arch of Life (image drawing)

2015年7月26日、新潟県十日町市と津南町をまたぐ越後妻有地域を舞台に『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015』が開幕する。既存の約200作品に加え、新作約180点およびダンスや演劇、音楽などパフォーミング・アーツのプログラムが約760平方キロメートルの広大な土地で、9月13日までの50日間にわたって展開される。総合ディレクターは北川フラム。

大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレは、2000年に「人間は自然に内包される」という基本コンセプトの下に始まり、過去5回の芸術祭と約20年にわたる活動を通して、約200点のアート作品や地域資源を活かした施設を蓄積、展開させてきた。これまでに蓄積されてきた作品の一例として、第1回開催時に制作されたジェームズ・タレルの「光の館」(2000)やマリーナ・アブラモヴィッチの「夢の家」(2000)をはじめ、草間彌生の「花咲ける妻有」(2003)、トビアス・レーベルガーの「フィヒテ(唐檜)」(2003)、クリスチャン・ボルタンスキー+ジャン・カルマンの「最後の教室」(2006)、塩田千春の「家の記憶」(2009)、アンソニー・ゴームリーの「もうひとつの特異点」(2009)、アン・ハミルトンの「金属職人の家」(2012)などが挙げられる。

6回目となる本芸術祭では、人間が自然・文明と関わる術こそが「美術」であると捉え、人間が自然の中で生きていくために培ってきたさまざまな創意工夫、技術、それを理解する仕組みとしての作品に焦点を当てる。また、人と人、人と場をつなげる媒体としての美術に着目し、これまで培ってきたサポーター、応援団、企業のネットワークを活かして、「交換」の場をつくりだす。


蔡國強 蓬莱山 Cai Guo-Qiang: Penglai / Hōrai (image drawing)

十日町エリアでは、越後妻有里山現代美術館[キナーレ]の特別企画展として『蔡國強 蓬莱山―Penglai / Hõrai』を開催。蔡國強は古代中国で仙人が住むとされた伝承の島(山)「蓬莱」をモチーフに大型インスタレーションを制作。地域で継がれてきた技や地元・越後妻有のこどもたちとの協働を制作に取り入れている。そのほか、同エリアではレベッカ・ベルモアイ・ヒョンウ[李亨雨]シルパ・グプタ大西みつぐ伊奈英次金村修倉谷拓朴などが新作を発表する。

タレルの「光の館」がある川西エリアでは、リュウ・ジャンファ[刘建华]シネマキャラバン、東アジア芸術村のある津南エリアでは、カテジナ・シェダーフィオナ・ウォン[黄麗貞]パオラ・ピヴィらの新作を展開。また、津南エリアでは、アジア各地の衣食住文化の交流の場を目指すアジアインフォメイションセンター&カフェを設立するほか、パフォーミング・アーツの拠点となる新施設「上郷クローブ座」で、劇団サンプル指輪ホテルなどが公演を予定している。

中里エリアでは、廃校した体育館を改修した清津倉庫美術館で、青木野枝遠藤利克戸谷成雄原口典之らの新作を展示。松代エリアのまつだい「農舞台」では、美術評論家の福住廉を招き、2012年秋より連続して企画されてきた「限界芸術百選プロジェクト」の活動成果を踏まえた『今日の限界芸術百選』展を開催。そのほか、イリヤ&エミリア・カバコフ川俣正アネット・メサジェイ・ブルターニャ・バダニナ宮本博史などの新作を発表。松之山エリアでは、青山学院大学苅宿研究室と越後妻有里山協働機構が地域の高校で推進する「Artによる学びのプロジェクト」を実施する。

会期中に実施されるイベント・パフォーマンス、さまざまな目的別に企画されたツアー等、詳細は公式ウェブサイトおよび公式ガイドブックを参照。

大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015http://www.echigo-tsumari.jp/


rice field in Hoshi Toge

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