香港にOMA設計のエドワール・マラング・ギャラリーがオープン

2010年9月28日、パリにある近代美術専門のマラング・ギャラリーのオーナー、ダニエル・マラングの息子でありロンドンでディーラーとして活動をしていたエドワール・マラングが、香港で初めて印象派以降の近代美術を専門的に扱うギャラリー、エドワール・マラング・ギャラリーをオープンした。開廊記念展覧会として香港初のピカソ展を12月4日まで開催している。


Edouard Malingue Gallery. Photo courtesy of OMA, © OMA.

ギャラリーの建築はOMAアジアが担当し、これがOMAにとって香港初のプロジェクトとなった。OMAアジア(香港)の所長ダヴィッド・ジアノッテンと建築家ジュリア・フォスカリが指揮をとったこのプロジェクトでは2つの異なる空間が並置される。香港では珍しいおよそ70平方メートルの比較的大きな展示空間は、アルミニウムで覆われた3つの展示室が連結し、路上からも見ることができる。受付や事務室となる開放的なオフィス空間は建物の独特な構造を露にしている。

ジアノッテンは「香港の事務所を開設してからちょうど1年、芸術と文化に関わる初めてのプロジェクトをここで完成することができ大変喜んでおります。この街のスピードと活気、芸術と文化が栄えていることがとてもよく分かります」とOMAの広報を通じてコメントした。

ジアノッテン率いるOMAアジアは最近、香港の珠海学院や台北舞台芸術センターのコンペで勝利。現在開催中の西九文化区(西九龍文化娯楽区)のコンペにも参加しており、提出したコンセプチャルマスタープランは11月20日まで香港各地で展示されている。

香港は、行政主導の西九文化区での大型プロジェクトに加え、香港アートフェアの成功などを通じて、アジアにおける芸術の中心地を目指している。この度、近代美術を専門に扱う画廊ができたこと、およびOMAアジアによるプロジェクトの完成は、民間においても香港の可能性を広げる動きが出てきたことを示しており、香港の潜在能力をまたひとつ証明することになった。

(文中敬称略)

香港、西九文化区の『M+』のディレクターに、元テート・モダン館長(2010年6月24日)

OMA: OMA completes gallery space in Hong Kong for Edouard Malingue
http://www.oma.eu/index.php?option=com_content&task=view&id=322&Itemid=6

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