第7回ヤンヒョン賞

2014年10月28日、韓国のヤンヒョン財団は芸術および文化的活動に従事している優れた中堅アーティストの支援を目的とした第7回ヤンヒョン賞を、アピチャッポン・ウィーラセタクンに授与すると発表した。授賞式および受賞記念講演は11月11日に韓国国立中央博物館で開催、アピチャッポンには賞金1億ウォン(約1,033万円)のほか、3年以内に国際的に有名な美術機関での個展の機会が与えられる。

アピチャッポン・ウィーラセタクンは1970年バンコク生まれ。現在はチェンマイを拠点に活動している。タイ東北部イーサーンに伝わる民話や伝説、迷信に基づく物語に、個人的な記憶、時事問題への言及を折り込んだ映像作品で知られる。映画監督としてカンヌ映画祭のパルム・ドール(2010)をはじめとする数多くの国際映画祭での受賞歴を誇り、山形国際ドキュメンタリー映画際や東京フィルメックスでも上映、受賞の経験を持つ。
98年以降に映画製作と並行して映像インスタレーションを中心に取り組み、ミュンヘンのハウス・デア・クンストやニューヨークのニュー・ミュージアムなどで個展を開催、ドクメンタ13などの国際展にも参加している。2010年には第1回アジア・アート・アワードの受賞者となった。日本国内でも広島市現代美術館や東京都現代美術館などの企画展やヨコハマトリエンナーレ2011に参加しており、昨年は第24回福岡アジア文化賞を受賞。今年も京都市立芸術大学ギャラリーやSCAI THE BATHHOUSEで個展を開催している。

ヤンヒョン賞は2008年に創設され、これまでにイザ・ゲンツケン(2009)、アクラム・ザアタリ(2011)、リヴァーニ・ノイエンシュヴァンダー(2013)らが受賞している。審査員は3年ごとの交代制となっており、今回はテート・モダン ディレクターのクリス・デルコンとホイットニー美術館ディレクターのアダム・D・ワインバーグが務めた。

Yanghyun Prize:http://www.yanghyunprize.org/


Above: Apichatpong Weerasethakul. 2013 “Phantasia” at Tripostal Below: Apichatpong Weerasethakul in collaboration with Chaisiri Jiwarangsan. 2012 at dOCUMENTA(13) Both: Photo: ART iT

Copyrighted Image