東京藝術大学にて西野達講演会、国際フォーラム開催

2014年10月、東京藝術大学は文化庁委託事業「平成26年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」の一環として、西野達の講演会、長谷川祐子、イ・ヨンウ[李龍雨]をそれぞれ講師に迎えた国際フォーラムを開催する。

東京藝術大学では同事業の一環として「現代アートの社会実践」をテーマとした講演会、「国際フォーラム migratory folly: 現代アートの社会実践」を企画しており、今月上旬には国際フォーラムの第1回目として、アラブ近代美術館館長のアブデラ・カルムと上海ヒマラヤ美術館館長のウォン・シュン・キット[王純杰]の対談、アルフレッド・ジャーの講演会を開催している。

今回10月2日にゲストとして登壇するのは、西野達。都市のモニュメンタルな彫像を取り込んだホテルの一室を建設、営業するプロジェクトなどで知られ、サンクトペテルブルクで開催中のマニフェスタ10をはじめ、数多くの国際展で紹介されている。また、昨年は日産自動車が創設した日産アートアワードにて審査員特別賞を受賞している。〈公〉と〈私〉の関係性を問い直す実践を継続する西野の視点で「現代アートの社会実践」の可能性を語る。

続いて10月11日は、東京都現代美術館チーフ・キュレーターの長谷川祐子を講師に迎えて、「国際フォーラム migratory folly: 現代アートの社会実践 No.2」を開催。長谷川はこれまでに金沢21世紀美術館の立ち上げに関わり、その後、同館芸術監督を経て、2006年より現職を務めており、2003年には第50回ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館コミッショナーを務め、「夢と衝突」というテーマのもと、曽根裕と小谷元彦の展示を企画した。本講演では、イスタンブール、サンパウロ、シャルジャといった国際展を指揮した経験や日本の作家の海外での受容の様子、近年のヨーロッパ調査を含めて報告する。

なお、本企画は光州ビエンナーレ20周年記念事業とも連携しており、10月25日の「国際フォーラム migratory folly: 現代アートの社会実践 No.3」では、イ・ヨンウを講師に迎える。光州ビエンナーレは、主催都市である光州市の民主化運動に光をあてるという役割を担い、アジアで最も長い実績をもつ。イは光州ビエンナーレの創設以来、芸術監督、財団代表理事、統括ディレクターとして関わってきたが、先月末に朴槿恵大統領を風刺する洪成潭の作品に対する検閲をめぐってその職を辞任している。本講演では、政治的規制から解放され、本来もつ想像力の発露や自由な表現への回帰と、自らを生きる勇気をもたらし、観衆の現実に対する意識を根底から変容させるビエンナーレの意義と未来への展望を語る。

講演会、国際フォーラムはいずれも入場料は無料、事前申込の必要はなし。

「西野達 逆転 / TATZU NISHI – INVERSION」
2014年10月2日(木)18:00-20:00(開場:17:30)
会場:東京藝術大学 美術学部中央棟第一講義室
http://ima.fa.geidai.ac.jp/?p=583

国際フォーラム migratory folly: 現代アートの社会実践 No.2
長谷川祐子「グローバル時代のアート、キュレーション:日本という立場から」
2014年10月11日(土)15:30-17:00(開場:15:00)
会場:東京藝術大学 美術学部中央棟第一講義室
http://ima.fa.geidai.ac.jp/?p=587

国際フォーラム migratory folly: 現代アートの社会実践 No.3
イ・ヨンウ[李龍雨]「光州ビエンナーレの20年」
2014年10月25日(土)15:30-17:00(開場:15:00)
会場:東京藝術大学 美術学部中央棟第一講義室
http://ima.fa.geidai.ac.jp/?p=590

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