マニフェスタ9、キュレトリアルチーム発表

アムステルダムにあるマニフェスタ財団は、2012年にベルギーのリンブルフにて開催されるマニフェスタ9のキュレーターに、メキシコ人のクアウテモック・メディーナ、アソシエイト・キュレーターにカテリーナ・グレゴスとドーン・アデスのふたりが就任することを発表した。

国際的なキュレーターで批評家および歴史家であるクアウテモック・メディーナは、テート・モダンのラテンアメリカ美術のコレクション部門の初代アソシエイト・キュレーターを務めた後、前回のヴェネツィア・ビエンナーレでメキシコ館のキュレーターを担当し、現在はメキシコ国立自治大学美学研究所に研究員として籍を置く。
アソシエイト・キュレーターとして選出されたカテリーナ・グレゴスは、ブリュッセルを拠点に活動し、今年行われるヴェネツィア・ビエンナーレ、デンマーク館のキュレーターでもある。もうひとりのドーン・アデスは、英国学士院特別会員でテートの評議員でもあり、2002年には美術史に対する貢献によって大英帝国勲章を授与されている。担当した主な展覧会に『Dada and Surrealism Reviewed』(1978)『Francis Bacon』(1985)『Art in Latin America』(1989)などがある。

マニフェスタはヨーロッパ現代美術ビエンナーレとして、毎回ひとつ選ばれるヨーロッパ内の都市で開催されている。第1回(1996年)がオランダのロッテルダムで始まったのを皮切りに、フランクフルト、トレンティーノなどで行われ、前回の第8回(2010年)はスペインのムルシアで開催された。大都市だけでなく、地方都市なども含まれるのが特徴である。前回ムルシアで行なわれた際は、地理的にも近い北アフリカに焦点を当てていたように、ヨーロッパで行ないつつヨーロッパ美術という枠組みを超えた活動にシフトしつつあるように見受けられる。そうした意味で、今回、ベルギー、リンブルフでの開催にも関わらず、ラテンアメリカ美術に詳しいキュレーターを選出したことはその流れをさらに押し進めることが予想される。

公式ウェブサイト:http://manifesta.org/

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