第18回シドニー・ビエンナーレ、ディレクター発表

2010年10月6日、2012年に行われる第18回シドニー・ビエンナーレのアーティスティックディレクターが発表された。

今年行われた第17回シドニー・ビエンナーレのアーティスティックディレクター、ディヴィッド・エリオットに次ぐのは、キャサリン・デ・ゼーガーとジェラルド・マックマスターの2人組で、シドニー・ビエンナーレ初の共同ディレクターとなる。このふたりは以前にトロントにあるオンタリオ州立アートギャラリーにて、デ・ゼーガーは展覧会および出版部門のディレクター、マックマスターはカナダ美術のキュレーターとして、フランク・ゲーリーによる同アートギャラリーの改装に伴うコレクションの展示の再構成に際し、共に働いた。(マックマスターは現在も同ギャラリーに勤務)

デ・ゼーガーは1987年に自らが共同で立ち上げたベルギーのコルトレイクにあるカナール・アートファウンデーションのディレクター、ニューヨークのドローイング・センターのエグゼクティブディレクターを経て、現在はニューヨーク近代美術館(MoMA)のドローイング部門およびバルセロナにあるアントニ・タピエス美術館の客員キュレーターを務めている。

マックマスターは、1981年から2000年までガティノーのカナダ文明博物館のディレクターであり、2000年から2004年までワシントンD.C.の国立アメリカ・インディアン博物館に勤務した後、2005年よりオンタリオ州立アートギャラリーでキュレーターを務めている。また、1995年にはヴェネツィア・ビエンナーレのカナダ館のコミッショナーを担当した。

両者とも西洋の規範的な文脈および個々の地域の文脈を含む美術を探究してきた経験を持ち合わせており、また美術館のコレクションの再構成するという職務の経験が選出の決め手になったであろうことからも、西洋美術史と地域性の交差などを考察する展覧会が予想される。現時点では、特定のテーマやコンセプトの発表はないものの、デ・ゼーガーは次回のシドニー・ビエンナーレを、対立するモダニストによる構造やシステムから連結的かつ相互依存的な21世紀の流動的な力学への移行を集約し、そうした近年の認識の変化の過程を形成し、それに対応している作品を紹介するものとして位置づけていると述べた。

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