第8回ベルリン・ビエンナーレ


Photo: ART iT. 2014年6月16日画像追加

2014年5月29日より、クンストヴェルケ現代美術センターを中心に第8回ベルリン・ビエンナーレが開催する。

8回目を迎える同ビエンナーレのキュレーターを務めるのは、メキシコシティとベルリンを拠点に活動するインディペンデント・キュレーターのホアン・A・ガイタン。これまでにロッテルダムのWitte de With(2009-2011)などでキュレーターを務めてきたガイタンは、建築環境、市民権、労働の3点からベルリンという都市にアプローチ、ベルリンの大きな物語/歴史と個人の人生が交差する地点を探求する。また、ダーレム地区の複数の国立博物館群(通称:ベルリン美術館)とハウス・アム・ヴァルトゼーを会場に組み込み、空間のみならず歴史/時間的にも現在の同都市の文化地図の再考を試みる。タレック・アトゥイ、ナターシャ・ギンワラ、カタリーナ・ロザーノ、マリアナ・ムンギア、オラフ・ニコライ、ヤン・ヴォーをアーティスティックチームのコアメンバー、アドバイザー、ロンドンを拠点とするデザイン事務所のザック・グループがグラフィックデザイン及びアートディレクションを担当している。

現在、参加アーティストとして発表されているのは、上述したタレック・アトゥイ、オラフ・ニコライ、ヤン・ヴォーに加え、サーダン・アフィフ、マリアナ・カスティーヨ・デバル、アンドレアス・アンジェリダキス、アガタ・ゴテ=スネイプ、マッツ・レイダースタム、ダヴィッド・ツィンク・イー。

既にアテネ出身のアーティスト兼建築家のアンドレアス・アンジェリダキスによって、今年1月下旬より主な会場のひとつであるクンストヴェルケ現代美術センター前の建物にて図書館を含む多目的空間「Crash Pad」が今回のビエンナーレ最初の委託作品として開設されている。また、シドニーを拠点に活動するアガタ・ゴテ=スネイプは公式ウェブサイト内にてテキストベースのプロジェクトを昨年末より展開している。

ベルリン・ビエンナーレは1996年にクンストヴェルケ現代美術センターの創設者であるクラウス・ビーゼンバッハとコレクターのエバーハルド・マインツによって設立され、2年以上の準備期間を経て、98年にビーゼンバッハとナンシー・スペクター、ハンス・ウルリッヒ・オブリストが共同キュレーターを務める形で第1回目のビエンナーレを開催している。その後、サスキア・ボス(2001)、ウテ・メタ・バウアー(2004)、マウリッツィオ・カテラン、マッシミリアーノ・ジオーニ、アリ・スボトニック(2007)、アダム・シムジック、エレナ・フィリポヴィッチ(2008)、カトリン・ ロンベルク(2010)、アルトゥール・ジミェフスキ(2012)がキュレーターを務めている。

なお、ドイツ連邦文化財団は次回及び次々回のベルリン・ビエンナーレへの各250万ユーロ(約3億5370万円)の助成金の支出を決定している。

ベルリン・ビエンナーレ:http://www.berlinbiennale.de/

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