2018年のマニフェスタ12の開催地決定

2015年11月6日、マニフェスタ財団ディレクターのヘドウィグ・フィジェンは、2018年のヨーロッパ現代美術ビエンナーレ「マニフェスタ12」の開催地を、イタリア・シチリア島最大の都市、パレルモに決定したと同市長レオルカ・オルランドとともに発表した。

東西冷戦の終結とそれに続くヨーロッパの統合を目指す90年代初頭のヨーロッパの政治、経済、社会の変化への応答としてはじまったマニフェスタは、アートと社会との対話に重点を置いた巡回型のプラットフォームとして成長してきた。96年のロッテルダムでの開催以来、2006年のニコシア開催の中止を経験しつつも、昨年のサンクトペテルブルクでの開催で20周年を迎えた。

今回の開催地の選考では、「移民」と「気候変動」という現在のヨーロッパが抱える問題にどのように取り組むのかが重要視された。地中海のほぼ中央に位置するパレルモは、その立地上、古代から近現代までさまざまな文明の支配下におかれるとともに、2000年以上にわたって北アフリカと地中海東岸とのつながりを抱えてきた多層的かつ濃密な歴史の痕跡を残す都市である。マニフェスタ12では、地元コミュニティとともに都市の基本的な構造を学際的な方法で考え直し、このヨーロッパ史上有数の地中海の交差点の再形成を試みる。

なお、来年6月にチューリッヒで開幕するマニフェスタ11は、チーフ・キュレーターのクリスチャン・ヤンコフスキーが掲げる「What People Do For Money – Some Joint Ventures」というテーマのもとに準備が進んでいる。

 

マニフェスタhttps://manifesta.org/

 

 


 

過去の開催都市およびキュラトリアルチーム

マニフェスタ1(1996)|ロッテルダム(オランダ)
チーフ・キュレーター:カタリン・ネレイ
共同キュレーター:ローザ・マルティネス、ヴィクトル・ミジアーノ、アンドリュー・レントン、ハンス・ウルリッヒ・オブリスト

マニフェスタ2(1998)|ルクセングルク(ルクセングルク)
キュレーター:ロバート・フリック、マリア・リンド、バーバラ・ファンダーリンデン

マニフェスタ3(2000)|リュブリャナ(スロベニア)
キュレーター:フランチェスコ・ボナーミ、オレ・ボウマン、マリア・ウラヴァヨハ、キャスリン・ロンバーグ

マニフェスタ4(2002)|フランクフルト(ドイツ)
キュレーター:イアラ・ボブノヴァ、ヌリア・エンギータ・マヨ、ステファニー・モワドン=トランブレー

マニフェスタ5(2004)|ドノスティア=セバスティアン(スペイン)
キュレーター:マルタ・クスマ、マッシミリアーノ・ジオーニ

マニフェスタ6(2006)|ニコシア(キプロス)※開催中止
キュレーター:マイ・アブ・エルダハブ、アントン・ヴィドクル、フロリアン・ヴァルトフォーゲル

マニフェスタ7(2008)|トレンティノ=アルト・アディジェ/南ティロル自治州(イタリア)
キュレーター:アダム・ブダック、アンセルム・フランケ、ヒラ・ピレグ、ラクス・メディア・コレクティヴ

マニフェスタ8(2010)|ムルシア&カルタヘナ(スペイン)
キュレーター:アレクサンドリア・コンテンポラリー・アート・フォーラム(ACAF)、チャンバー・オブ・パブリック・シークレッツ、トランジット

マニフェスタ9(2012)|ゲント、リンブルフ(ベルギー)
キュレーター:クアウテモック・メディーナ
アソシエイト・キュレーター:カテリーナ・グレゴス、ドーン・アデス

マニフェスタ10(2014)|サンクトペテルブルク(ロシア)
キュレーター:カスパー・ケーニヒ

マニフェスタ11(2016)|チューリッヒ(スイス)
キュレーター:クリスチャン・ヤンコフスキー

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