SPAC「ふじのくに⇄せかい演劇祭2016」、全上演ラインナップを発表


ウィリアム・ケントリッジ『ユビュ王、アパルトヘイトの証言台に立つ』 © Luke YOUNGE

静岡市で毎年ゴールデンウィークに開催する演劇祭「ふじのくに⇄せかい演劇祭」が全上演ラインナップを公開した。静岡県舞台芸術センター(SPAC)の「劇場は世界を見る窓」という理念のもと、現代美術の領域でも国際的に知られる南アフリカ出身のアーティスト、ウィリアム・ケントリッジの演出作品をはじめ、国内外の優れた演劇が上演される。

ふじのくに⇄せかい演劇祭は、演劇で世界と静岡をつなぐフェスティバルとして、2011年に「Shizuoka春の芸術祭」の名称を改め、国や地域を越えて、アーティストや観客、地域の人々が直接交流できる祝祭として開かれている。

五大陸を代表する演劇が静岡に集結することを特徴とした今回のプログラム。上述したウィリアム・ケントリッジは、アパルトヘイト後に旧体制の関係者から証言を引き出した「真実和解委員会」の様子を、不条理演劇の祖と言われるアルフレッド・ジャリの『ユビュ王』になぞらえて演劇化した『ユビュ王、アパルトヘイトの証言台に立つ』を南アフリカの人形劇団ハンドスプリング・パペット・カンパニーとともに上演する。SPAC芸術総監督の宮城聰が手掛けるSPACの『イナバとナバホの白兎』は、開館10周年を迎えるフランス国立ケ・ブランリー美術館の委嘱により製作された新作。同美術館での世界初演に先駆け、同演劇祭と同時開催の「ふじのくに野外芸術フェスタ」の公演として、駿府城公園において野外バージョンで上演される。日本、シンガポール、インドネシアの三カ国による国際共同制作で世界初演となるのは、福岡アジア文化賞受賞経験を持つシンガポール出身のオン・ケンセン演出の『三代目、りちゃあど』(野田秀樹作)。そのほか、「約束の血」四部作で世界的に注目を受けているレバノン出身でケベックとフランスを中心に活躍するワジディ・ムアワッドの映像を駆使した一人芝居「火傷するほど独り」、アヴィニョン演劇祭のディレクターを務めるオリヴィエ・ピィの「オリヴィエ・ピィのグリム童話『少女と悪魔と風車小屋』」、若手枠として、レバノン出身のサウサン・ブーハーレドの「アリス、ナイトメア」、オーストラリア出身のティム・ワッツの『It’s Dark Outside おうちにかえろう』が上演プログラムに名を連ねる。

関連企画として、平田オリザ、オン・ケンセン、宮城聰をパネリストに迎えたシンポジウムや、街中でのフリンジ企画「ストレンジシード」など、多彩な企画を実施。詳細およびチケット購入方法は、公式ウェブサイトを参照。

ふじのくに⇄せかい演劇祭2016
2016年4月29日(金、祝)-5月8日(日)
http://festival-shizuoka.jp/

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おいでよ、たのしい演劇祭!SPAC「ふじのくに⇄せかい演劇祭2016」PV第1弾

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ウィリアム・ケントリッジ「ユビュ王、アパルトヘイトの証言台に立つ」予告編

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