小泉明郎、第15回アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュ最優秀賞を受賞


Both: Theatre Dreams of a Beautiful Afternoon (2010-11)

国際交流基金によると、現在開催中の第15回アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュにおいて、小泉明郎の「Theatre Dreams of A Beautiful Afternoon」(2010-11)が最優秀賞を受賞した。同賞は小泉のほか、カジ・サラフディン・アーメド(バングラデシュ)、バシャール・アル・フロウブ(パレスチナ)も同賞を受賞した。
小泉の受賞作品は、都市の日常生活の中でそこに住む人々のテンションが振り切れる瞬間を役者が演じ、その光景を突如目撃する人々の反応を映し出すというビデオインスタレーション。小泉はこれまでにも、俳優との対話や自身によるパフォーマンスを通じて、俳優を操るのと同様に観客も揺るがし、心理的に不安定で曖昧な状況を作り出す映像作品を発表してきた。近作では、日本の第二次世界大戦の歴史をテーマに、ナショナリズムの歴史と言説に見られる倫理的葛藤や自己矛盾についてのさまざまな解釈を提示している。今回の作品は、都市の日常生活の中でそこに住む人々のテンションが振り切れる瞬間を役者が演じ、その光景を突如目撃する人々の反応を映し出すというもの。小泉は森美術館のMAMプロジェクト(2009)を始め、アムステルダム、シドニーなどにて個展を開催。リバプール・ビエンナーレ(2010)、韓国メディア・シティ・ソウル(2010)、あいちトリエンナーレ(2010)などで作品を発表している。また、来年1月にはニューヨーク近代美術館のMoMA Projectsでの発表が予定されている。
同ビエンナーレは1981年に始まり、日本は第1回から参加。今回は飯田志保子が日本のキュレーターを務め、小泉とともにUJINO(宇治野宗輝)が参加している。日本勢はこれまでにも前回の名和晃平、2006年の藤浩志、2002年の真島直子が最優秀賞を受賞している。

第15回アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュ
2012年12月1日(土)-12月31日(月)
バングラデシュ・シルパカラ・アカデミー
http://www.bangladeshbiennale.org/

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