フランツ・ヴェスト死去(1947-2012)


Franz West Gekröse (2011). Installation view of ART BASEL 43 – Unlimited, 2012

2012年7月25日、独特の形状の彫刻作品で国際的に知られるアーティスト、フランツ・ヴェストがウィーンにて死去した。家族によれば死因は肝疾患とのこと。享年65歳。
ヴェストは1947年にウィーンに生まれる。1960年代は石膏、紙片、布片、鉄筋などからなり、鑑賞者が手に取り、身につけることの出来る彫刻を制作する。80年代からは華奢な枠組みの椅子や机を発表し、90年以降は数多くの国際展に参加し、独特の形状の彫刻作品を通じて、身体や人工補綴物、文学や哲学を巡る問題を提起し続けた。
主な個展にニューヨーク近代美術館(1997)、ブレゲンツ美術館(2003)、メキシコシティのタマヨ現代美術館(2009)などがある。そのほか、ドクメンタ(1992, 97)、ミュンスター彫刻プロジェクト(1997)、ヴェネツィア・ビエンナーレ(1988, 93, 97, 2003, 11)など、多数の国際展に参加し、2011年の第54回ヴェネツィア・ビエンナーレでは、「生涯功績への金獅子賞」を受賞している。日本国内では第1回横浜トリエンナーレ(2000)、あいちトリエンナーレ2010、群馬県立近代美術館で開催された『ヨーロッパからの8人』(1998)などに参加している。

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