2013年ハッセルブラッド国際写真賞、ジョアン・フォンクベルタが受賞

2013年3月7日、ハッセルブラッド財団はジョアン・フォンクベルタに2013年ハッセルブラッド国際写真賞を授賞したことを発表した。
フォンクベルタは1955年、バルセロナ生まれ。30年以上にわたり写真とその真実との関係を独特なコンセプチュアルな手法で追究している。代表作として知られる「Fauna」(1987)では世界各地に棲息する珍獣を発見した後に失踪した動物学者ペーター・アーマイゼンハウフェン博士の偉業を紹介するという架空の物語に取り組み、日本でも『秘密の動物誌』(ペレ・フォルミゲーラとの共著)としてその物語が出版されている。同じく「Sputnik」(1997)も、旧ソ連が打ち上げたソユーズ2号が実は有人飛行であり、宇宙飛行士と宇宙飛行犬が搭乗していたという物語のもとに制作され、同名書籍が日本でも出版されている。作家としての功績以外にも教育者、ライター、キュレーターとしても多大な功績を残している。
同賞は1980年に創設され、写真界への貢献が認められた人物へ贈られる。受賞者には賞金100万スウェーデンクローナ(約1477万円)が与えられるほか、ハッセルブラッドセンターでの個展が10月25日から開催される。昨年はポール・グラハムが受賞し、そのほか近年の受賞者には原美術館での個展が控えるソフィ・カルや、あいちトリエンナーレに参加予定のワリッド・ラードがいる。日本人では1987年に濱谷浩、2001年には杉本博司が受賞している。
なお、フォンクベルタはセルバンテス文化センター(東京都千代田区)で開催中の『ARCOマドリッド巡回展:スペイン写真の25年』にも出品している。

ハッセルブラッド財団:http://www.hasselbladfoundation.org/

ARCOマドリッド巡回展:スペイン写真の25年
2013年1月23日(水)-4月10日(水)
セルバンテス文化センター
http://tokio.cervantes.es/

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