第7回モスクワ・ビエンナーレ

2017年9月19日より、第7回モスクワ・ビエンナーレが開幕する。国立トレチャコフ美術館内の新トレチャコフ・ギャラリーで開催されるメインプロジェクト展『Clouds⇆Forest』のキュレーションは、東京都現代美術館参与の長谷川祐子が手がける。会期中には、49の美術機関が参加し、69のプロジェクトが展開するパラレル・プログラムも開催。2018年1月18日までの4カ月という開催期間は同ビエンナーレ初の試みとなる。

『Clouds⇆Forest』では、インターネット上のクラウド空間に生まれた「クラウド・トライブ(雲の一族)」と、文化的な起源のうえに生まれた「フォレスト・トライブ(森の一族)」、両者の循環によって形成される新しいエコシステムに焦点を当てる。長谷川は「『Clouds⇆Forest』は、森(フォレスト)と雲(クラウド)の間を変遷・拡張・消散するクリエイティヴ・トライブ(創造的な小集団)としてのアーティストに着目します。そうしたクリエイティヴ・トライブが、鑑賞者の主観性をどのように再構築し、また、そうした彼らの創造性が個々の主観性にもとづいた新たな環境空間(エンヴァイロメンタル・スフィア)の形成にどのように関わっているかを見せる展覧会となっています。インターネット上のコミュニケーションに代表される、既存の枠組みとは異なる環境空間を生み出す昨今の新たな世代を考慮したうえで、本展のキュレーションの枠組みには、日々進歩するテクノロジーに新たな生命を与えながら、文化的な根源ともつなげあわせるアニミズムとしての芸術的な言語を獲得しようとする表現と、歴史/ジャンル/メディアを横断するリゾーム的な有機システムとしてのアート表現の可能性が含まれています」とのステイトメントを公式ウェブサイトに寄せている。

参加アーティストは、25カ国出身の52人/組。長谷川が金沢21世紀美術館で個展を手がけたマシュー・バーニーや、東京都現代美術館で個展を手がけたフセイン・チャラヤン、企画展で紹介してきたオラファー・エリアソンピエール・ユイグシセル・トラース照屋勇賢らのほか、ドクメンタやヴェネツィア・ビエンナーレといった国際展の経験を持つセアスター・ゲイツフォレンジック・アーキテクチャーライアン・トラカートゥン、2013年のターナー賞受賞者のロール・プルーヴォ

『六本木クロッシング2016展 僕の身体、あなたの声』をはじめ、国内外で精力的な作品発表を行なうナイル・ケティング、モスクワ・ビエンナーレと同じく、長谷川がキュレーションを手がけるポンピドゥー・センター・メスの『Japanorama: New Vision of JAPAN from 1970』にも出品される、2015年に25歳で逝去した画家の中園孔二、水や火といった現象を扱うアートへの関心から現在は花火を用いた新しい表現を探求している島田清夏、映像作品を中心に、写真や音楽、パフォーマンスなど多岐にわたる表現に取り組む東加奈子、昨年もEARTH+GALLLERYで共同制作を発表したジェスティーヌ・エマール&森山未來も参加する。

また、モスクワ・ビエンナーレが創設したエキスパート・カウンシルが推薦したアーティストから長谷川が選出した、アレクセイ・マルティンスアナスタシア・ポチョムキナヴァーリャ・フェティソフダシ・ナムダコフイリヤ・フェドートフ-フェドロフ、アーティスト・コレクティヴ「Where Dogs Run」も参加。セミョン・ミハイロフスキー(第57回ヴェネツィア・ビエンナーレ・ロシア館コミッショナー)やミハイル・ピオトロフスキー(エルミタージュ美術館館長)をはじめとする専門家からなるエキスパート・カウンシルは、上述したパラレル・プログラムの選定も行なっている。

第7回モスクワ・ビエンナーレ
2017年9月19日(火)-2018年1月18日(木)
新トレチャコフ・ギャラリー(国立トレチャコフ美術館内)
http://www.moscowbiennale.com/
C:長谷川祐子
CA:黒沢聖覇
「Clouds⇆Forest」

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