東京都庭園美術館、リニューアルオープン


「正面外観」(松井写真館/1933年頃)

2014年11月22日、東京都庭園美術館が約3年間の大規模改修工事を経て、リニューアルオープンした。

1933年に朝香宮邸として建築され、以来、外務大臣公邸、迎賓館などに使用された本館は、大規模な設備の改修に加えて、当時の資料を入念に調査し、壁紙の復原やオリジナルの家具の修復を行なって、創建当初の姿に近づいた。リニューアルオープン記念『アーキテクツ/1933/Shirokane アール・デコ建築をみる』では、同建築に関わったアーキテクツ(設計者、技術者たち)に焦点をあて、朝香宮邸誕生の物語を追うと同時に、現在の職人たちによる調査・修復記録の展示を通して、歴史的建造物を未来に残す意義について問いかける。通常の展覧会の際には展示していない家具や同建築のデザインに関わったフランス人室内装飾家アンリ・ラバンやガラス工芸家ルネ・ラリックの作品もあわせて紹介される。

そして、杉本博司の助言のもとに改築された新館ギャラリー1および本館を使用した『内藤礼 信の感情』もリニューアルオープン記念として同時開催される。内藤の新作の彫刻や絵画は、時間が積層され、人の過ごした気配の漂う空間と建てられたホワイト・キューブという空間で「見る」ことと「信じる」ことの繋がりをそっと差し出してくる。


Left: 「次室」(松井写真館/1933年頃)Right: 内藤礼「ひと」2014年 Photo: Naoya Hatakeyama Below: ウジェーヌ・ロベール・プゲオン「蛇」1930年頃 © Musée La Piscine (Roubaix), Dist. RMN-Grand Palais / Arnaud Loubry / distributed by AMF, Achat de l’Etat 1930

また、2015年1月17日からはじまる開館30周年記念展では、アール・デコにおける朝香宮邸の位置づけを明らかにしながら、フランスの美術館所蔵品を中心とした33作家による家具、磁器、銀器、ガラス、ドレス、絵画、彫刻などを紹介する企画展『幻想絶佳:アール・デコと古典主義』を本館および新館ギャラリー1で開催。同時期には、映像、音楽、メディアアートが交差する多様なパフォーミング・アーツを紹介するプログラム「TTM: IGNITION BOX」として、河合政之(ヴィデオアーティスト)、澤隆志(キュレーター/映像作家)、マイア・バルー(音楽家)、相馬千秋(アートプロデューサー)がそれぞれディレクションを担当した企画も本館および新館で展開する。

東京都庭園美術館:http://www.teien-art-museum.ne.jp/

リニューアルオープン記念
『アーキテクツ/1933/Shirokane アール・デコ建築をみる』
『内藤礼 信の感情』

2014年11月22日(土)-12月25日(木)
東京都庭園美術館 本館および新館ギャラリー1
http://www.teien-art-museum.ne.jp/
開館時間:10:00-18:00(12/22-12/25は20:00まで)入館は閉館30分前まで
休館日:第2・第4水曜日(12/24は特別開館)

関連イベント
内藤礼 アーティストトーク
2014年12月20日(土)15:00-
会場:新館ギャラリー2
定員:100名(当日整理券を配布予定)
※入館者対象・無料

「地上はどんなところだったか」特別上映
2014年11月29日(土)11:00、14:00
2014年12月6日(土)11:00、14:00
2014年12月13日(土)11:00、14:00
2014年12月20日(土)11:00
会場:新館ギャラリー2
定員:100名(当日整理券を配布予定)
※入館者対象・無料

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