ホウ・ハンルゥがイタリア国立21世紀美術館のアーティスティックディレクターに就任

2013年8月1日、イタリア国立21世紀美術館(MAXXI)財団理事長のジョヴァンナ・メランドリは、同館のアーティスティックディレクターにキュレーター兼批評家のホウ・ハンルゥ[侯瀚如]が就任することを発表した。ホウは8月29日には就任記者会見を行い、9月より任務をはじめる。

イタリア国立21世紀美術館は、同国初の国立美術館として2010年、ローマのフラミニオ地区に開館した。設計はプリツカー賞受賞経験のあるザハ・ハディドが担当。ホウは、今回の就任にあたり、「現在、イタリアを含む世界各地は、グローバルな規模での経済や文化、政治、人間の価値の再構築という困難な課題に直面しています。しかし、困難は常に新しいパラダイムの到来を示唆してきました。この美術館は、美術の持つ創造力と社会生活とのダイナミックな関係性を議論し合うためのプラットホームとして、美術、建築、文化を生み出す場所、新しい公共文化のための実験場を目指していく」との抱負を掲げている。

ホウ・ハンルゥは1963年広州市に生まれ、現在はパリとサンフランシスコを拠点に活動している。これまでにフランス館(1999)、『Z.O.U.–Zone Of Urgency』(2003)、中国館(2007)と三度のヴェネツィア・ビエンナーレでの企画をはじめ、『China/Avant-Garde』(1989)、『Cities On The Move』(1997-2000)といった企画展や、上海ビエンナーレ、光州ビエンナーレ、広州トリエンナーレ、イスタンブール・ビエンナーレ、リヨン・ビエンナーレなど、数多くの展覧会企画を手掛けている。また、現在開催中の第5回オークランド・トリエンナーレのキュレーターも務めている。また、2006年から2012年にわたり、サンフランシスコ・アート・インスティテュートで展覧会ディレクターなどを歴任しており、そのほか、世界各地の美術館への助言、コンペティションの審査、教育、美術雑誌への寄稿と幅広く活動している。主な著作、共著に『On The Mid-Ground』(2002)や『Paradigm Shifts, Walter & McBean Galleries exhibitions and public programs, San Francisco Art Institute, 2006-2011』(2011)がある。

Copyrighted Image