ターナー賞2016


Helen Marten, Installation view, “Turner Prize 2016”, Tate Britain, 2016

2016年12月5日、ロンドンのテート・ブリテンにて、世界有数の現代美術の賞として国際的に知られるターナー賞の授賞式が開かれ、ヘレン・マーティンの受賞が発表された。マーティンには賞金25,000ポンド(約362万円)が授与された。
(※マーティンは賞金を最終候補者で分担したいと述べた。)

ヘレン・マーティンは、昨年の第56回ヴェネツィア・ビエンナーレに出品した「Lunar Nibs」を含むプロジェクトと、ニューヨークのグリーン・ナフタリで開催した個展『Eucalyptus, Let us in』(2016)によって再終候補に選ばれていた。多種多様な素材を非凡な造形力でまとめあげた、詩的かつ謎めいた作品は、今日、世界に存在することの複雑さや課題を映し出すものである、と評価された。
マーティン(1985年マクルズフィールド生まれ)は、今年、イギリスを拠点とする彫刻家を対象としたヘップワース彫刻賞を最年少で受賞。サーペンタイン・サックラー・ギャラリーでの個展のほか、マルメ近代美術館やハーシュホーン美術館彫刻庭園、第20回シドニー・ビエンナーレといった企画展、国際展に参加している。そのほか、近年の主な展示には、第55回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2013)や第12回リヨン・ビエンナーレ(2013)といった国際展、クンストハレ・チューリッヒ(2012)、パレ・ド・トーキョー(2012)、チゼンヘール・ギャラリー(2012)、CCSバード(ニューヨーク、2013)などで個展などがある。

ヘレン・マーティンのほか、最終候補に残ったマイケル・ディーン、アンテア・ハミルトン、ジョセフィン・プライドには、それぞれ5,000ポンド(約72万円)が授与された。テート・ブリテン ディレクターのアレックス・ファーカソンが審査委員長を務め、ミシェル・コットン(ボン・クンストフェライン ディレクター)、タムシン・ディロン(キュレーター)、ベアトリクス・ルフ(アムステルダム市立美術館 ディレクター)、サイモン・ウォリス(ヘップワース・ウェイクフィールド ディレクター)が審査員を務めた。

ターナー賞は、イギリスを活動拠点とする50歳未満のアーティストを対象に、過去1年間に開催された展覧会などの実績をもとに選出される。授賞式に先立ち、最終候補に選ばれた4名/組の展覧会を開催し、BBCによる授賞式の放映などを通じて、専門家のみならず、幅広い観客に現代美術への関心をもたらしている。ロンドン以外の都市での開催を積極的に展開しており、リバプールやゲーツヘッド、デリー/ロンドンデリーで開催。昨年は近年多数の受賞者および最終候補者を輩出しているグラスゴーで開催し、受賞者にはロンドンを拠点に現代美術のみならず領域横断的に活動するアーティスト・コレクティブのアッセンブルが選ばれた。

テート・ブリテンで開催中の展覧会は、2017年1月2日まで開催。

ターナー賞http://www.tate.org.uk/visit/tate-britain/turner-prize/

ターナー賞2016
2016年9月27日(火)-2017年1月2日(月)
テート・ブリテン、ロンドン
http://www.tate.org.uk/visit/tate-britain

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