第10回光州ビエンナーレ

2014年9月5日より、「Burning Down The House」をテーマとする第10回光州ビエンナーレが開幕する。ディレクターを務めるは、テート・モダンのキュレーター、ジェシカ・モーガン。

同芸術祭は、5.18光州民主化運動の民主精神を受け継ぎ、同都市から新しい文化的な価値を国際的に発信していく現代美術の場として、1995年にはじまる。2008年にオクウィ・エンヴェゾー、2010年にマッシミリアーノ・ジオーニがディレクターに抜擢され、前回は森美術館チーフ・キュレーターの片岡真実を含む6名が共同キュレーターを務めている。

新しさや変化が希求される過程では、しばしば暴力を伴う形でそれまでの基盤が破壊されたり、自壊することがある。モーガンは「Burning Down The House」というテーマのもと、「火」がものを変質させる力、創造的破壊に着目し、歴史を通して繰り返される消滅と再生について考察する。また、個人や集団で個人的な問題や社会的な問題に取り組むアーティストの実践を通じて、運動としてのアートの可能性を探求していく。

会場は5つの空間に分かれ、ジェニファー・アローラ&ギレルモ・カルサディーヤ、ジャック・ゴールドスタイン、ドミニク・ゴンザレス=フォルステル、カーステン・ヘラー、ピエール・ユイグ、ク・ジョンア、ピョートル・ウクランスキーの作品が各空間の出入り口に配置される。そのほか、メディアシティ・ソウル2014への参加している米田知子、昨年、東京都内(TOLOT/heuristic SHINONOME)でも個展を開催した荒川医とイム・インザとの恊働など、36カ国105名のアーティストが参加、35の新作が出品される。会場全体のグラフィックを担当するのはロンドン在住のデザインチーム、エル・ウルティモ・グリート。

韓国では、パク・チャンギョンをディレクターに「Ghosts, Spies, and Grandmothers」のテーマのもと、メディアシティ・ソウル2014が今月2日より開幕しており、日本からも上述した米田のほか、内藤正敏、田村友一郎、ゼロ次元 加藤好弘が参加している。また、9月20日からはオリヴィエ・キャプランがアーティスティック・ディレクターを務める釜山ビエンナーレが開幕する。

第10回光州ビエンナーレ
2014年9月5日(土)-11月9日(日)
http://www.gwangjubiennale.org/

メディアシティ・ソウル2014
2014年9月2日(火)-11月23日(日)
http://mediacityseoul.kr/

第8回釜山ビエンナーレ
2014年9月20日(土)-11月22日(土)
http://www.busanbiennale.org/

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