CCAシンガポールが開館初企画展を開催

2014年1月18日、コンテンポラリーアートセンター(CCA)シンガポールが昨年10月の開館以来、同館初の企画展『パラダイス・ロスト』を開催する。企画は同館ディレクターのウテ・メタ・バウアーとキュレーターのアンカ・ルジョイウ。

CCAシンガポールは、2013年10月に南洋理工大学(NTU)がシンガポール経済開発庁の支援により、ギルマン・バラックスの一角に設立された。展示空間のみならず、パブリックプログラム、リサーチ、レジデンシーの機能を備える。開館から昨年末まで、アーティストやキュレーターのみならず、建築家、音楽家、デザイナーなどがCCAシンガポールの可能性について話し合うイベント「フリージャズ」が行なわれている。

同館初の企画展『パラダイス・ロスト』は、トリン・T・ミンハの「姓はヴェト、名はナム」(1989)、ザリーナ・ビムジの「イエロー・パッチ」(2011)、フィオナ・タンの「ディスオリエント」(2009)といった移動や場所、植民地時代との個人的な繋がりなどを探求する3つの映像インスタレーションで構成され、投影や欲望の場としての、空想のアジアを描き出す。昨年10月から開催しているシンガポールビエンナーレや、1月16日から19日まで開催されるアートステージ・シンガポールでのCCAトークに呼応した内容となっている。

同館ディレクターのウテ・メタ・バウアーは、マサチューセッツ工科大学准教授に勤務し、同大学のヴィジュアル・アーツのプログラムに深く関わるなど、25年以上にわたって現代美術や映画、音響など学際的な企画を行なっている。2012年度にはロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アート芸術学部長を務めた。そのほか、第1回ワールド・ビエンナーレ・フォーラム(光州)の共同ディレクターをホウ・ハンルゥとともに担当、第3回ベルリン・ビエンナーレのアーティスティックディレクター、ドクメンタ11の共同キュレーター、ノルウェー現代美術センターの初代ディレクターなどを務めている。昨年はCCAキュレーター・ミーティング参加のために来日、また、PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭のプロフェッショナルアドバイザリーボードメンバーのひとりでもある。

Gillman Barracks:http://www.gillmanbarracks.com

シンガポール・ビエンナーレ2013
2013年10月26日(土)-2014年2月16日(日)
http://www.singaporebiennale.org/

アートステージ・シンガポール
2014年1月16日(木)-1月19日(日)
http://www.artstagesingapore.com/
※日本からも17のギャラリーが参加

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