第14回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展

2014年6月7日より、第14回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展が開幕する。今回は「ファンダメンタルズ[基本要素]」という総合テーマのもと、レム・コールハースが総合ディレクターを務める。

レム・コールハースは、「コンテンポラリー」に重点を置いていた近年のビエンナーレに対し、今回のビエンナーレでは歴史を考察し、建築の現在を再構築し、その未来を想像するために、建築の基本要素に立ち戻る建築展を構想してきた。コールハースは、参加65カ国に対して「近代化の吸収:1914-2014」という共通のテーマを課すことで、「ネイション」というレンズを通してこの100年を分析し、グローバルな視点から新しい対話を生み出そうと試みる。

太田佳代子がコミッショナーを務める日本館の展覧会は「現代建築の倉」というテーマのもと、「建築が現実の中に本当に入っていったときに、何が起こりえるか?」を追求したものとなる。日本が辿った近代化の経路を考察するために、「進歩と調和」を提唱した大阪万博、オイルショックや公害問題などといった近代化の躓き、それに対するさまざまなリセットややり直しの試みといった今日に至る経路が決まっていくような複数の事象が集まる70年代に焦点を当てる。

各国に課された「近代化の吸収:1914-2014」のほか、壁や屋根、窓など建築の基礎的な要素に着目した「建築の要素」、イタリアの社会政治的状況をダンスや演劇、音楽、映画などによって描き出そうと試みる「モンドイタリア」の3つの展示によって全体が構成される。例年は8月下旬から約3カ月間にわたって開催される同ビエンナーレではあるが、今年は約2倍となる開催期間が設けられている。

第14回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展
2014年6月7日(土)–11月23日(日)
ジャルディーニ、アルセナーレ、ほか
http://www.labiennale.org/en/architecture/

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