ローマ賞2013は、ファルケ・ピサノに

2013年11月5日、40歳以下のアーティストを対象とした、オランダで最も有名かつ由緒あるローマ賞を、2008年の横浜トリエンナーレへの経験を持つファルケ・ピサノが受賞した。ピサノには40,000ユーロ(約529万円)とローマへのレジデンスの権利が与えられる。

ファルケ・ピサノは1978年アムステルダム生まれ。現在はベルリン在住。美術作品のコミュニケーションの要素を探究した「Figures of Speech」(2006-10)や、身体への印象の変遷を調べる「The Body in Crisis」(2008-)といった長期間にわたる制作活動を続けるほか、これまでにドゥ・ブリーシャル(ミデルブルフ)やショウルーム(ロンドン)での展覧会、国立ソフィア王妃芸術センターでのパフォーマンスなどを行う。今回の展示では、コレクションズ・コーポレーション・オブ・アメリカ及び同社が1984年に運用を開始したアメリカ合衆国初の民営刑務所(ヒューストン,テキサス)、低賃金労働かつ重要な経済的要因である囚人の身体という政治性の強いテーマを取り扱ったインスタレーションを発表している。

ピサノのほか、最終選考に残ったクリスティアン・フリードリヒ、レムコ・トーレンボッシュ、オラ・ヴァシリエヴァの4名による審査対象となった新作はデ・アペル(アムステルダム)にて来年1月26日まで展示されている。審査員を務めたのは、ブリジット・ドンケル(モンドリアン基金ディレクター)、カスリーン・ビューラー(ベルン美術館キュレーター)、アン・ゴールドスタイン(アムステルダム市立美術館ディレクター)、ニコリン・ファン・ハルスカンプ(2009年同賞受賞者)、ナヴィド・ヌール(アーティスト)、ドメニク・リュイテルス(メトロポリスM編集長)。なお、同賞は今年1月よりモンドリアン基金が運営を行っている。

Prix de Rome:http://www.prixderome.nl/

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