フリーズ・ニューヨーク2016

2016年5月5日から5月8日までの4日間にわたって、5回目となるフリーズ・ニューヨークが、会場をマンハッタン北東部のランドールズアイランドパークで開催される。アマンダ・シャープとマシュー・スロトヴァーが1991年に『FRIEZE』誌を創刊して、25年目となる2016年のフリーズ・ニューヨークも、メインとなる「ギャラリーズ」部門のほか、アーティストに新作を依頼するフリーズ・プロジェクトなど多彩なプログラムを展開する。

世界有数のギャラリーが集まる「ギャラリーズ」部門では、ニューヨークのスペローネ・ウェストウォーターがアリ・バニサドルの個展形式で初めて参加する。また、ニューヨークのペースはフレッド・ウィルソン、TARO NASUはサイモン・フジワラ、ケープタウンのスティーブンソンはモシュクワ・ランガの個展形式で参加。ニューヨークのP.P.O.Wは、来春にホイットニー美術館で初の回顧展が控えるデイヴィッド・ヴォイナロヴィッチを中心としたグループ展での参加で注目を集めている。上述したTARO NASUのほか、日本からタカ・イシイギャラリーと小山登美夫ギャラリーも同部門で参加する。(東京に支店を持つブラム&ポーも同部門参加)

昨年設立された「スポットライト」部門の条件は、20世紀に制作された作品で構成した個展形式。テート・モダンのクララ・M・キムがキュレーションを担当し、フェミニズム運動に積極的に取り組んだリー・ルブリン(エスパイヴィソル、バレンシア)や、従来のジャンルに収まらない多様な制作活動に取り組んだフェリペ・エーレンベルグ(バロ・ガレリア、サンパウロ)、韓国の抽象絵画を牽引したキム・ファンギ[金煥基](ギャラリー・ヒュンダイ、ソウル)、パキスタン近代美術の重要なアーティストのひとり、ザホール・ウル・アカラク(ジャベリ・コンテンポラリー、ムンバイ)など、重要なアーティストのあまり知られていない作品や、各地域で重要な役割を担うアーティストにもかかわらず国際的に十分に知られていない作家を中心に取り上げる。

2004年以降に設立されたギャラリーを条件とする「フォーカス」部門には、「フレーム」部門から移ってきたティフ・シグフリッズ(ロサンゼルス)、サルタナ(パリ)を含む32軒が出展。日本からはミサコ&ローゼンがジョシュ・ブランド、タケニナガワが青木陵子の個展形式で参加。また、ファビアン・シェーンアイヒ(ポルティクス、フランクフルト)とジェイコブ・プロクター(シカゴ大学ノイバウアー・コレギウム)のふたりがアドバイザーに就任した「フレーム」部門は、設立8年以下のギャラリーによる個展形式での参加が条件となっている。出展ギャラリーは、初参加のハイ・アート(パリ)、リガーズ(シカゴ)のほか、レオ・シュー・プロジェクト(上海)など18軒。

さらに、今年もチェチリア・アレマーニ(ハイライン・アート、ニューヨーク)がキュレーターを務めるフリーズ・プロジェクトおよびフリーズ・サウンドには、アンセア・ハミルトンデヴィッド・ホロヴィッツヘザー・フィリップソンザビエラ・シモンズアリシア・クワデらが参加。また、80年代半ばから90年代半ばのニューヨークで、まだ評価の定まっていないアーティストの展示を手掛け、ジョン・アームレーダーやマーク・ウォリンジャーらを輩出したダニエル・ニューバーグギャラリーへのトリビュートとして、自身のアメリカ初個展が同ギャラリー最後の展示となったマウリツィオ・カテランが特別なプロジェクトを用意する。そのほか、会期中にはトム・エクルズ(バード・カレッジ・センター・フォー・キュラトリアル・スタディーズ、ニューヨーク)とクリスティー・ラング(フリーズ誌アソシエイト・エディター)が編成したトークプログラムや、教育プログラムなどが実施される。

フリーズ・ニューヨーク
2016年5月5日(木)-5月8日(日)
http://www.frieze.com/fairs/frieze-new-york

Copyrighted Image