名和晃平 最優秀賞受賞 第14回アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュ2010

アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュは、1981年にアジア14ヶ国の参加を得て開始された国際展である。現在ではアジア圏以外の国と地域からも30以上の参加実績を持ち、アジア地域で最も長い歴史のあるビエンナーレのひとつとなっている。第14回目となる今年は、日本から林寿美(川村記念美術館学芸部学芸担当課長)がコミッショナーとして国際交流基金に迎えられ、名和晃平の新作を紹介。同作品がビエンナーレの最優秀賞にあたるグランプリ第1位に選ばれた。

名和晃平の個展『Synthesis』を10月30日まで開催しているスカイ・ザ・バスハウスによると、受賞したのは『SCUM』シリーズの最新作。オブジェの表面に発泡ウレタンを吹き付けて制作されている。名和が現地を下見した際、地元のマーケットで購入したオブジェを形はそのままに、サイズを10倍に拡大させたベースを設計。鉄のワイヤーやメッシュを溶接し、現地のアーティストに制作してもらった後、日本から輸送した発泡ウレタンを使って、現地入りした作家とスタジオ「SANDWICH」のメンバー、さらに名和が准教授を務める京都造形芸術大学のウルトラファクトリーの学生スタッフらが作品として仕上げたとのことである。

アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュの歴代日本代表作家のうち、海老塚耕一(1989)、真島直子(2002)、藤浩志(2006)らがグランプリ第1位に、阿部守(1995)がグランプリ第2位に、江上計太(1991)、サダヒロカズノリ(1993)らがグランプリ第3位に、そして椿昇(2004)が佳作に選ばれている。

第14回アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュ2010は11月7日まで。

(文中敬称略)

フォトレポート
名和晃平 @アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュ2010
名和晃平展@SCAI THE BATHHOUSE

14th Asian Art Biennale Bangladesh 2010
会場:オスマニ記念ホール、バングラデシュ・シルパカラ・アカデミー、バングラデシュ国立博物館
会期: 2010年10月8日(金)– 11月7日(日)
http://www.bangladeshbiennale.org/

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