〈高松市美術館〉高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.02 ―贈り物と交換―

「高松コンテンポラリーアート・アニュアル」は、独創性、将来性のある作家を発掘・紹介する年に一度の現代美術のグループ展です。パイロット展としての初回「vol.00」、瀬戸内国際芸術祭2010の連携企画として本格開催した「vol.01」に引き続き、「vol.02」を開催します。

今回のテーマ「贈り物と交換」は、昨年の3.11を経験し激動する社会を生きる私たちにとっての、芸術とコミュニケーションの開かれた可能性を探るキーワードとして設定しました。

この混迷する世界の中で芸術に何ができるでしょうか。社会への直接的な働きかけという面では確かにささやかなものです。しかし、ものごとの価値をともすれば損得や数で計ろうとする昨今、市場原理主義とは違うものとして、芸術は生まれ、私たちにパーソナルな贈り物を届けることができます。作家から私たちへ、また次の人へと、獲得するのではなくまずは贈ることによって、そして交換することによって成り立つコミュニケーションです。

芸術は根源において「そこには存在しないもの」を表そうとし、過去と未来の両方に手を伸ばしていきます。そうして、パーソナルな贈り物を特定の誰かではなく、時代や場所を超えて交換していく中で、私たちは時おり作品から「思いがけない世界」を実感し、現実の世界に向き合う力になるでしょう。出品作を介して会場が、作家と鑑賞者、また鑑賞者同士の精神的な交換/交感の場となれば幸いです。

出品作家は、服などを使って解体と再生を見せるベルリン在住の平野薫、子どもたちとのワークショップの映像により日常のアート化を試みる山本高之、既存の音やイメージを自在にリミックスする和泉希洋志、香川に在住しそこの人・出来事・モノを撮影する新進の写真家GABOMI、音や時間をモチーフとし別の世界を浮かび上がらせる八木良太です。

◇展覧会概要

会期   2012年7月28日(土)~9月9日(日)
休館日  月曜日
開館時間 火~土曜日(9:30~19:00)/日曜日(9:30~17:00)
     入室はいずれも閉館30分前まで
入場料 一般800円(640円) ※65歳以上も一般料金
    大学生  500円(400円)
    高校生以下無料
※( )内は前売りおよび団体20名様以上の料金
※身体障害者手帳・療育手帳または精神障害者保健福祉手帳所持者は入場無料
※前売券は美術館1階受付、ゆめタウン高松サービスカウンター、宮脇書店本店および南本店にて7月27日まで販売

◇関連イベント・詳細などは高松市美術館ホームページよりご確認ください。
http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/kyouiku/bunkabu/bijyutu/index.html

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