<高松市塩江美術館>讃岐の情景 The Scene of sanuki

【期  間】 平成28年2月27日(土)~4月10日(日) 
【時  間】 午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)
【入 館 料】 一般300円、大学生150円(常設展観覧料含む/団体は
       20名以上2割引)
       高校生以下、65歳以上の方、身体障害者手帳等の所持者は無料
【休 館 日】 月曜日(ただし休日の場合はその翌日)
【主  催】 高松市塩江美術館
(出品作家)歌川広重、川瀬巴水、辻一摩、宮脇忠次郎

 今日まで、なぜ名所旧跡を題材とした作品が、多く描かれてきたのでしょうか。
 名所は古くには「などころ」といい、和歌の歌枕に詠まれ、特に名の立った地、名高い場所を指した言葉でした。文学、故事、神話、伝説に登場する名所、旧跡が「などころ」に当たります。しかし、江戸時代になって旅行が盛んになると、名所は実際に訪れることができる場所を指す言葉として用いられるようになり、各地に「名所(めいしょ)」が誕生します。江戸時代は、参勤交代によって街道や宿泊施設、乗り物等が整備され、貨幣の流通も進んだことにより、旅が安全、便利にできるようになり、1716年頃(享保)から庶民の間で旅ブームが起こります。また、初期の浮世絵の代表的なテーマは「遊女」と「役者」が中心でしたが、西洋美術の影響で風景が取り上げられるようになったのも要因のひとつといえます。
 このように古くは江戸時代から、国内の名所旧跡が画題として取り上げられ、描かれています。あるときは観光名所のガイドブック的役割、またあるときは観光土産、そして近年では、失われつつある歴史的遺産を過去に描き残すためなど、その理由は、時代の流行や出来事、社会的背景により変化しています。                                
 本展では、江戸から昭和にかけて讃岐(香川県)の名所旧跡を題材にとりあげ版画の技法で、描きおこされた作品約35点をご紹介いたします。そこに写し出された時代背景もあわせてお楽しみください。この機会に是非、作品をとおして讃岐の名所旧跡を巡ってみませんか。


歌川広重(初代)《六十余州名所絵図「讃岐象頭山遠望」》1853


宮脇仲次郎《錦絵讃岐名所「高松市繁華街」》1901

高松市塩江美術館ホームページ:
https://www.city.takamatsu.kagawa.jp/5041.html

Copyrighted Image