「ボディ アンド ソウル─原美術館コレクション展」から

群馬・ハラ ミュージアム アークより

現在開催中の「ボディ アンド ソウル─原美術館コレクション展」の作品をご紹介したいと思います。

“ボディ アンド ソウル (body and soul/身体と精神)”という語句は、昔からアメリカなどでは映画や楽曲の題名に何度となく使われてきました。日本語の中でも近年は音楽を中心によく見かけるようになりました。身体(ボディ)は心(ソウル)の容器であり、“魂の抜け殻”などという言い回しもありますが、哲学などでは、自分という存在が他者や周囲の世界と関わるための“媒体(メディア)としての身体”という考え方もあります。また、1960年代にマーシャル マクルーハンが指摘したように、さまざまなツールやテクノロジーを通して“身体”を拡張してきたのが、メディア時代に生きる私たちであるとも言えます。

今回展示している作品は、身体(ボディ)を直接モチーフにしているものもありますが、すべてがそういう作品ではありません。直接モチーフになっていなくても、作品を通して“身体”を見つめ直すことができるような作品もあります。


吉田克朗 「触“体-27”」 1989年

吉田克朗は「もの派」の作家とみなされていますが、80年代後半に始まった「触」のシリーズは、「触れる」という身体感覚を通して「世界」の関わりを検証する絵画です。吉田克朗は、画面に手でじかに黒鉛を塗りつける方法で「触」を制作しましたが、あらかじめイメージを構想して制作にかかるのではなく、手と黒鉛とカンヴァスの触れあうプロセスの中でわき上がってくるイメージを大画面に仕上げました。絵画の制作は、絵具を塗っていくという、手(腕)を中心にした身体の所作による表現であると考えると、絵画もまたパフォーマンスやアクションという身体的表現行為の一種になります。吉田克朗の「触」のシリーズは、身体を介して自己と世界の距離を見つめ直す実践の試みと言えるでしょう。

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ハラ ミュージアム アーク 現代美術ギャラリー

ボディ アンド ソウル─原美術館コレクション展
2011年9月17日[土]-2012年1月4日[水]

■出品作家:加藤泉/草間彌生/篠原有司男/束芋/やなぎみわ/米田知子/ウィリアム ケントリッジ/ローリー シモンズ/ミカリーン トーマス ほか

*会期中毎週日曜日(2:30pmより1時間程度)、予約制にて学芸員によるギャラリーガイドおよび開架式収蔵庫(現代美術)の特別公開(中学生以上対象)を行ないます。

開館時間 9:30 am – 4:30 pm (入館は4:00 pmまで)
入館料 大人(中学生以上)¥1000 こども(3歳-小学生)¥500
※10月28日[金]群馬県民の日は、群馬県在住の中学生以下の方の入館は無料。また学期中の土曜日は群馬県内の小中学生は無料。
休館日 木曜日(11月3日、12月29日は除く)、1月1日[日] *荒天時、都合により臨時休館する場合があります。
交通案内 JR上越線「渋川駅」より「伊香保温泉行き」バスにて15分、「グリーン牧場前」下車。お車の場合、関越自動車道「渋川・伊香保I.C.」より8km、15分。

◇電車のご案内◇
*変更の可能性がありますので、事前に必ずご確認ください

《JR「上越・長野」新幹線利用の場合》 
〈東京駅発→高碕駅で在来線の上越・吾妻線に乗り換え→渋川駅着〉

・10:12東京発→11:01高崎着/11:11高崎発→11:35渋川着
・11:12東京発→12:03高崎着/12:20高崎発→12:44渋川着 
・12:24東京発→13:14高崎着/13:31高崎発→13:56渋川着

《JR上越線新特急「草津」利用の場合》
〈上野駅→渋川駅着〉

・ 9:00上野発→10:37 渋川着 (31号 ※土休日のみ運転)
・10:00上野発→11:43渋川着 (3号 ※土休日のみ運転)
・12:00上野発→13:45 渋川着 (5号)

渋川駅からは関越交通バスに乗り「グリーン牧場前」で下車します。
http://www.kan-etsu.net/r-bus/timetable/shibu-ikaho-1.htm

バス停より徒歩7分で当館に到着します。

◇お車のご案内◇
関越自動車道「渋川・伊香保I.C.」より伊香保温泉に向かって8km、約15分。

高速道路について
E-NEXCOドライブプラザ http://www.driveplaza.com/

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お知らせ
■ハラミュージアムアークは本展覧会より「ミューぽん」に参加しました。ぜひご活用ください。
http://www.tokyoartbeat.com/apps/mupon

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