4_プラディープ ミシュラ 「ホームアゲイン」展作家解説[原美術館]

「ホームアゲイン―Japanを体験した10人のアーティスト」展出品作家メールインタビュー。2010年に滞在制作をしたプラディープ ミシュラは、鮮やかな赤を基調とした背景に、子ども、動物や植物、銃や農具などを描くことで、互いの存在のつながりや命をつなぐ「生」を表現しています。聞き手: NPO法人アーツイニシアティヴ東京[AIT/エイト] *この文章は展示室にも掲示されております。


本展記者会見にて 撮影:木奥惠三

プラディープ ミシュラ Pradeep Mishra インド 1977年生
インドのムンバイ在住。ムンバイの美術学校で修士号を取得。東京滞在中(2010)には、動物園で遭遇したさまざまな動物や博物館に展示された剥製の動物などをモチーフにした絵画を制作。動物・植物・人物などをモチーフに鮮烈な色彩で描かれた具象絵画は、常に他者のために尽くし、命を繋いでゆくものたちの姿を描き、時には植物や土などの生の素材もあわせて展示される。それらを通して「生」のさまざまな姿への想いを作品化している。

問1:東京では、油彩で動物のポートレートを制作していましたね。このシリーズについて話してください。どのような経緯で制作を始めたのでしょうか。

東京で制作した作品は、それ以前のものと繋がっています。それは生きていく中で個々が、形や色や習性に関係なく、どれほど互いの空間を共有し合って存在しているか、ということに関連しています。


「ウォームス オブ トゥゲザネス」より
油彩、カンヴァス 2010年 45.5 x 53 cm
撮影:木奥惠三

問2:本展では、動物の象徴が描かれた旗を展示しようとしています。あなたにとって動物には何か特別な意味があるのでしょうか。鶴やトンボは何かを象徴しているのですか。

個々の信じているものを共有する、ということを目的としています。人間は、観察し、学び、適応し、そして生きるために良いと感じることを共有することで徐々に進化してきました。

問3:過去には、乾燥した木の葉をギャラリー内に展示していたこともありました。あなたは人間の一生を、自然や動物の世界という、より広い文脈に関連づけて表現しようとしているのではないかという気がするのですが、そのような理解で良いでしょうか。

はい、そうやって自分の考えを作品化し始めたのです。そのうち重要な局面がやってきました。“生”と“死”という二つの相反する概念に直面したのです。以後、これら二つを互いにどのように具現化したらよいか、私は悩み続けることになりました。

問4:描かれた動物や鳥には、何か情緒面での個性を与えているのですか。

私の狙いは、スタイルや素材に関係なく、絵画という“かたち”に生をもたらすことです。

問5:赤ん坊や武器、植物を描くこともありますが、動物を描く理由と関係しているのでしょうか。

私にとって、それらは生のかたちであり、我々は互いの存在を探り合うことで繋がっているのです。

Tumbler本展特設サイト http://homeagain2012.tumblr.com/
*BLOGにて作家や展覧会の動向を随時更新します。

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「ホームアゲイン―Japanを体験した10人のアーティスト」
8月28日[火]-11月18日[日]

「MU[無]―ペドロ コスタ&ルイ シャフェス」
12月7日[金]-2013年3月10日[日]

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