群馬・ハラ ミュージアム アークより
觀海庵で開催中の「原六郎コレクション―春の名品展」が間もなく終了となります。6月1日[水]までの会期ですが、6月4日[土]・5日[日]の2日間もご覧いただけます。
「春の名品展」後期は水墨画を中心にお楽しみいただける展示内容ですが、奈良時代から室町時代までの190枚の古筆切(こひつぎれ)を収めた手鑑『麗藻台』(てかがみ『れいそうだい』)も注目の1点です。
手鑑は、経巻や歌集などの巻物や冊子から、その一部を切り取って厚手の台紙に貼り、折り帖に仕立てたものです。
手鑑『麗藻台』(表紙)
古筆は近世以前に書き写された写本類、歌集等の仮名書きのテキストの総称で、裁断されたものを古筆切(こひつぎれ)、切(きれ)、断簡(だんかん)などといいます。古筆が尊重されるようになった理由の一つに茶道の流行があります。大名や裕福な商人たちは茶室を作り、床の間に掛けるために稀少な古筆を切断して掛け軸にしました。それにともない古筆の鑑賞も盛んになり、江戸時代には古筆を収集、鑑賞するためのアルバム、古筆手鑑が発達しました。
今回の展示では、巻頭から16枚の古筆切を展示しています。手鑑には一定の配列があり、巻頭に伝聖武天皇筆「大聖武(おおじょうむ)」、伝光明皇后筆「蝶鳥下絵経(ちょうとりしたえきょう)」と続くのが一般的です。
『麗藻台』 展示風景
「大聖武」は『賢愚因縁経(けんぐいんねんきょう)』を書写した断簡。聖武天皇筆と伝えられるうえ、大きな字で重厚な書風であることから「大聖武」と呼ばれます。写経は一般に1行17字で書かれますが、「大聖武」は、12、3字で記されていることが多く、少ないものですと9字の行もあります。『麗藻台』の「大聖武」は1行12字です。なお、大和国の東大寺に伝えられたことから、「大和切」とも呼ばれます。
そして、光明皇后筆とされる「蝶鳥下絵経」は『法華経』の断簡です。金泥の罫線が引かれ、優美な書風で書写されています。金泥や銀泥で蝶や鳥、草花の絵が華麗に描かれていて、書だけでなく、紙に施された装飾の美しさも見どころです。
この他にも、呼び名のついた古筆切がいくつかご鑑賞いただけますので、この機会にご堪能ください。
——————————————————-
ハラ ミュージアム アーク展覧会
◆觀海庵
原六郎コレクション―春の名品展
後期 4月29日[金・祝]-6月1日[水]、6月4日[土]・5日[日]
◆現代美術ギャラリー
宇・宙(コスモス)―原美術館コレクション展
3月26日[土]-6月26日[日]
*会期中毎週日曜日(2:30pmより1時間程度)、予約制にて学芸員によるギャラリーガイドおよび開架式収蔵庫(現代美術)の特別公開(中学生以上対象)を行ないます。
休館日 木曜日
開館時間
*詳しくはこちらをご覧ください。(2011/04/01更新)
入館料 大人(中学生以上)¥1000 こども(3歳-小学生)¥500
〈公式WEBサイト〉http://www.haramuseum.or.jp
〈携帯サイト〉http://mobile.haramuseum.or.jp
——————————————————-
◇電車のご案内◇
*変更の可能性がありますので、事前に必ずご確認ください
《JR「上越・長野」新幹線利用の場合》
〈東京駅発→高碕駅で在来線の上越・吾妻線に乗り換え→渋川駅着〉
・10:12東京発→11:01高崎着/11:11高崎発→11:35渋川着
・11:12東京発→12:03高崎着/12:20高崎発→12:44渋川着
・12:24東京発→13:14高崎着/13:31高崎発→13:56渋川着
《JR上越線新特急「草津」利用の場合》
〈上野駅→渋川駅着〉
・ 9:00上野発→10:37 渋川着 (31号 ※土休日のみ運転)
・10:00上野発→11:43渋川着 (3号 ※4月中は土休日のみ運転)
・12:00上野発→13:45 渋川着 (5号 ※4月中は土休日のみ運転)
渋川駅からは関越交通バスに乗り「グリーン牧場前」で下車します。
http://www.kan-etsu.net/r-bus/timetable/shibu-ikaho-1.htm
バス停より徒歩7分で当館に到着します。
◇お車のご案内◇
関越自動車道「渋川・伊香保I.C.」より伊香保温泉に向かって8km、約15分。
高速道路について
E-NEXCOドライブプラザ http://www.driveplaza.com/