後期スタート!「秋のいろどり」展@觀海庵

群馬 ハラ ミュージアム アークより

觀海庵では引き続き、秋の風情がお楽しみいただける展覧会を行なっております。美術に表現された季節の風物や故事を通して、当時の人々の自然との関わりや美意識を紹介いたします。身近に残されている自然に改めて目を向けていただける機会となれば幸いです。


「角力図屏風」 六曲一双(左隻部分)
後期注目の1点は躍動感あふれる「角力(すもう)図屏風」です。
相撲の歴史は古く、『古事記』や『日本書紀』にその起源が記され、古墳時代の埴輪にも力士の姿を見ることができます。相撲が秋の季語とされるのは、奈良~平安時代、毎年初秋(陰暦の7月)に朝廷で行なわれた相撲節(すまいのせち)に由来します。国家の安泰と五穀豊穣を祈る天覧相撲で、今でも地域によっては秋祭りに相撲が行なわれますが、これは相撲節に因んでいるようです。
さて、金地の屏風絵には、屋外の土俵での相撲の取組とそれを観戦する人々の姿が描かれています。相手のまわしを引きつけて体を持ち上げる力士、吊り出されないように相手の首に食い込むほど腕をまわして片足を絡みつける力士。両者の土俵際での熱い攻防が捉えられています。また、華やかな色彩による細密描写が印象的です。観戦する人々がまとう着物やヘアスタイルまでが細かく丁寧に描写されているので、江戸時代初期のファッションを楽しむこともできます。

軍配が描かれた携帯用の刀入れ、「軍配に鉄仙蒔絵刀筒」と取り合わせた展示もお見逃しなく。

「軍配に鉄仙蒔絵刀筒」 一合

【出品作品】
○古美術
聖徳太子ほか手鑑 「麗藻台」 一帖 奈良~室町時代/狩野永徳 「虎図」(三井寺旧日光院客殿障壁画) 一幅 桃山時代/狩野派「野馬図」 (三井寺旧日光院客殿障屏画) 四幅 桃山~江戸時代/「角力図屏風」 六曲一双 江戸時代/「軍配に鉄仙蒔絵刀筒」 一合 江戸時代/「葡萄栗鼠蒔絵提重」 一基 江戸~明治時代
○現代美術
崔在銀「モーツアルトへのオマージュ」 1991/アニッシュカプーア「虚空」 1992/須田悦弘「鉄仙」 2001/篠田桃紅「通」 2003/青木野枝「立山」 2007/佐伯洋江「無題」 2009

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ハラ ミュージアム アーク 秋の展覧会
◆觀海庵
秋のいろどり
会期 後期 2010年10月16日(土)-12月5日(日)  
    *会期を延長いたしました。(但し、11月24日~27日は閉室)

◆現代美術ギャラリー
Cheer up! 元気になる美術(アート)―原美術館コレクションより
会期 2010年9月11日(土)-12月5日(日)

<公式WEBサイト>http://www.haramuseum.or.jp
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