「時季の造形」展 後期スタート[ARC]

群馬・ハラ ミュージアム アークより

特別展示室 觀海庵では、12月2日[金]より「時季(とき)の造形」展の後期が始まります。
正月を迎える時節にちなみ、新年の寿ぎを象徴する干支の龍をはじめ、鶴や亀、松竹梅など、おめでたい図柄が描かれた作品を織り交ぜた展示構成です。自然造形の表現とあわせて、日本人が自然との関わりのなかで育んできた文化や美意識も見つめてみます。
本展では原六郎コレクションより、狩野探幽(1602-74)「龍虎図」や森徹山(1775-1841)「百鶴図屏風」、円山応挙(1733-95)「淀川両岸図巻」など、日本近世絵画の優品がご覧いただけます。


狩野探幽 「龍虎図」 双幅 江戸時代 寛文11年(1671)
雲の間から波上に姿を現す龍、地を踏みしめ天空に向かって吠える虎が対で描かれます。
龍は雲をおこして雨をよび、虎は吠えると風を起こすと考えられていました。また、この両者を対峙させることは風雲に遭う覇者の姿、すなわち英雄が世に現れ出る姿にたとえられ、戦国武将や禅僧の間で好まれました。龍を囲む黒い雲は墨のにじみで表わされ、刻々と変化する雲の動感を画面にもたらしています。渦巻く雲や波は、風の力強い動きを感じさせます。

そして、円山応挙の「淀川両岸図巻」は巻替えをして巻末部分を展示します。天満橋辺りまでの両岸の夕暮れから夜の景色、別画面に描かれた朝日を背にする大阪城がご覧いただけます。

天満橋界隈

大阪城

円山応挙「淀川両岸図巻」 一巻(部分) 江戸時代 明和2年(1765)
京都・伏見から大阪・天満橋辺りにいたる淀川の流れを約16mの画面に描いた長大な絵巻。川の両岸を上下に展開させた独特の視点と視覚による空間表現、群青を使った水面の微細な表現と写生に基づく緻密な風景描写が印象深い作品です。
巻末の淀川両岸の景色は、それまでの色彩が無くなり、3m50cmほどが水墨と金泥による表現に変わります。日暮れとともに表情を変える空や水面の色など、光によって移り変わる色を細やかに捉えている点にご注目ください。

取り合わせた現代美術作品とともに、美の表現と造形が織りなす展示空間もお楽しみいただければと思います。

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ハラ ミュージアム アーク 特別展示室「觀海庵」
時季(とき)の造形
後期:2011年12月2日[金]-2012年1月4日[水]

■出品作品
古美術
円山応挙「淀川両岸図巻」江戸時代  *前・後期で巻替え
狩野探幽「龍虎図」江戸時代/森徹山「百鶴図屏風」江戸時代/「ぶりぶり蒔絵徳利提」江戸時代/「人物図玉製如意」清時代 ほか
現代美術
ディヴィッド スミス「3つの構造」1941/アニッシュ カプーア「虚空」1992/佐藤時啓「S. L. #1」1992/笹口数「星座」2002/青木野枝「立山」2007 ほか

開館時間/9:30 am – 4:30 pm (入館は4:00 pmまで)
入館料/大人(中学生以上)¥1000 こども(3歳-小学生)¥500
休館日/木曜日(12月29日は開館)、1月1日[日]
*荒天時、都合により臨時休館する場合があります。
交通案内/JR上越線「渋川駅」より「伊香保温泉行き」バスにて15分、「グリーン牧場前」下車。お車の場合、関越自動車道「渋川・伊香保I.C.」より8km、15分。

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お知らせ
ハラミュージアムアークは本展覧会より「ミューぽん」に参加しました。ぜひご活用ください。
http://www.tokyoartbeat.com/apps/mupon

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