「崔在銀 展―アショカの森―」展示のご紹介

東京・原美術館より

[2010年10月18日追記 本展カタログがザ・ミュージアムショップに入荷しました(2,200円) http://shop.haramuseum.or.jp]

昨月から始まった「崔在銀 展―アショカの森―」(チェ ジェウン展)、すでにご覧いただけたでしょうか?
秋風に樹々の揺れるアプローチを進み、館内に足を踏み入れると、そこはもう崔の森。ここでは、展示の様子を少しだけご紹介いたします。

[ギャラリー1]


「アショカの森」 インスタレーション 2010年 サウンドエンジニア: 山田正弘
撮影:武藤滋生(以下同じ)

北米のアーミッシュが200年前から使用していた倉庫の建材を用いたインスタレーション。アーミッシュの、自然に寄り添う暮らしとそこで育まれていた時間、樹そのものが内包している悠久の年月、そしてそれらと静かに向き合う私たちの中に流れてゆく今とが相まって、この上なく豊かな時空間を旅することができます。

[ギャラリー2]


「Forever and a Day」 ビデオインスタレーション 2010年 撮影:夏海光造/編集:堀進太郎/音楽:高田みどり/サウンドエンジニア:山田正弘

物質としての樹に包まれるギャラリー1とは打って変わって、ギャラリー2は完全にイメージだけの樹の世界。大樹の肌をクローズアップした映像は、心が急いていると気付かぬほどにゆっくりと流れ、樹を通り過ぎていったであろう何百年もの歳月の流れを辿っていきます。

[サンルーム]


「もう一つの月」 ビデオ、つくばい 2010年 撮影:夏海光造/編集:堀進太郎

とても小さな作品ですが、深く印象に残ります。骨董のつくばいに水を張り、そこに映像を投影しています。大樹の映像は微かに変化し続け、それにともなって現れては消える宝石のような色彩は、自然の多様さを表現しているようです。

[階段]


「幻想の裏面 1003040160270」 カラー写真 238 x 80 cm 2010年

[ギャラリー4]


「幻想の裏面」 カラー写真 2010年

[ギャラリー5] 


「幻想の裏面」 カラー写真 2010年 (12月中旬に撮影/12月27日追加

階段、ギャラリー4および5には、作家自身が森の中に分け入り撮影した写真を展示しています。撮影場所は十和田湖周辺や八甲田など。暗い森の中に浮かび上がる繊細な色は、まるでマーク ロスコの抽象画のようにやわらかで深遠な奥行きを感じさせ、鑑賞者を包み込みます。

今回ご紹介した作品の他にもまだまだ展示は続きます。どの展覧会でもそうですが、本展は特に、写真では伝えきれない気配や匂いも感じていただきたいので、ぜひ実際に原美術館に足をお運びください。

展覧会カタログは、ただいま印刷の真っ最中。今月の下旬には発行の予定です。展示風景写真をふんだんに盛り込み、また、中村桂子氏(JT生命誌研究館館長)と南嶌宏氏(女子美術大学教授)の論文も収録し、たいへん充実した内容となっています。ご期待ください!
カタログ入荷情報は、原美術館ホームページおよびTwitter(@haramuseum)にてお知らせします。

崔在銀 展関連イベント 次回のお知らせ
講演会/中村桂子 「樹が教えてくれること―時間と関係」

■日時:2010年10月31日(日) 14:30pm~15:30pm
■出演:中村桂子(JT生命誌研究館館長)
■参加費:無料(別途要入館料)
■申し込み方法:お電話かメールでご予約ください Tel: 03-3445-0669
E-mail: info@haramuseum.or.jp

[中村桂子 プロフィール]
東京都出身。1936年生。理学博士。東京大学理学部化学科卒。同大学院生物化学修了。三菱化成生命科学研究所人間・自然研究部長、早稲田大学人間科学部教授、大阪大学連携大学院教授などを歴任。JT生命誌研究館副館長を経て館長に着任。著書に、『「子ども力」を信じて、伸ばす』(三笠書房)、『ゲノムが語る生命-新しい知の創出』(集英社新書)、『ゲノムの見る夢』(青土社、崔在銀との対談も収録)などがある。

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「崔在銀 展 ―アショカの森―」
9月11日(土)~12月26日(日)
※日・祝日には当館学芸員によるギャラリーガイドを行ないます(2:30pmより30分程度)

品川駅と原美術館を結ぶ無料ミニシャトルバス「ブルンバッ!」毎週日曜運行中。
[協賛:ブルームバーグL.P./アーティスト:鈴木康広]
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