「狩野派の障壁画―原六郎コレクション」展【後期】[ARC]

群馬・ハラ ミュージアム アークより

敷地内の八重桜が満開になりました。華やいだ景色を満喫できる季節です。

(2014.4.26撮影)

さて、特別展示室「觀海庵」では「狩野派の障壁画」展の後期がスタート。滋賀県・三井寺(みいでら)にかつてあった日光院客殿の障壁画群から、下ノ間(通称:虎ノ間)を飾った絵画を中心に紹介しています。


狩野永徳「虎図」(三井寺旧日光院客殿障壁画) 桃山時代
現在は掛軸に改装されていますが、日光院客殿を飾った壁貼付絵と襖絵です。虎は富や地位、子孫繁栄の意味が託され、吉祥画として描かれることも多かった動物です。

また今回は、狩野安信の「虎図」も展示しています。永徳の「虎」と比べながら鑑賞していただければと思います。

狩野安信「虎図」(「龍虎図」双幅のうち)
どこかとぼけたような顔で龍を見上げる虎。愛嬌あふれる表情には、思わず微笑んでしまいます。虎の毛は、墨のにじみやぼかしによって、柔らかな質感が表現されています。虎は吠えると風を起こし、龍は雲をおこして雨をよぶと考えられていました。また、龍と虎を対峙させることは、英雄が世に現れ出る姿にたとえられ、武将や禅僧の間で好まれました。

永徳の「虎図」を2作品同時に公開するのは、当館では初めてです。本来の鑑賞の場に近い、書院造の空間でご覧いただける点も見どころとなります。

出品作品
【古美術】
狩野永徳「虎図」(三井寺旧日光院客殿障壁画) 一幅 桃山時代/狩野永徳「虎図」(三井寺旧日光院客殿障壁画) 四幅 桃山時代/狩野派「花鳥図」(三井寺旧日光院客殿障壁画) 四幅 桃山-江戸時代 など
【現代美術】
マルタ パン「円柱 1400」1978年/ロイ リキテンシュタイン「おでかけ」1990年/須田悦弘「チューリップ」1998年/佐伯洋江「無題」2009年 など

会期中、関連プログラムとして茶話会を開催いたします。
茶話会「狩野派障壁画の魅力」
5月24日[土] 4:00-5:30pm カフェ ダールにて開催

〈講師〉三宅秀和(公益財団法人永青文庫学芸員)
〈聞き手〉小野美香(ハラ ミュージアム アーク学芸員)
〈参加費(入館料、お茶・お菓子セット付き)〉原美術館メンバーシップ会員 500円、
一般 1500円、大高生 1000円、中学生以下 500円
〈予約・お問い合わせ〉Tel: 0279-24-6585  E-mail: arc@haramuseum.or.jp

三宅秀和氏(公益財団法人永青文庫学芸員)を講師にお迎えし、狩野永徳から狩野探幽、尚信、安信の障壁画についてお話していただきます。多くの狩野派作品を実見してこられた研究者ならではの切り口で、それぞれの絵師たちの個性や真髄が語られるに違いありません。原六郎コレクションの三井寺旧日光院客殿障壁画の新しい魅力に気づけるのではないでしょうか。
お茶とお菓子をお供に、お話にゆったり耳を傾けていただければと思います。

ハラ ミュージアム アーク 春の展覧会
◆特別展示室 觀海庵
狩野派の障壁画―原六郎コレクション
2014年5月28日[水]まで
古/今 書院でみる現代美術 原美術館コレクション展
2014年5月30日[金]-6月29日[日]
◆現代美術ギャラリー
JOY! 魂のよろこび―原美術館コレクション展
2014年6月29日[日]まで

=美術館連携割引=
本展をご覧いただいた方には、群馬県立近代美術館で開催中の
「探幽3兄弟-狩野探幽・尚信・安信-」展(4月19日[土]-6月1日[日]) の観覧料が優待料金でご覧頂けるチケットを差し上げます。

ハラ ミュージアム アーク
住所:〒377-0027群馬県渋川市金井2855-1TEL 0279-24-6585
開館時間: 9:30am-4:30pm(入館は4:00pmまで)
休館日: 木曜日(5/1、祝日・8月を除く)
入館料: 一般1,100円、大高生700円、小中生500円

アクセス:
電車― JR上越線「渋川駅」より(上越・長野新幹線利用の場合は高崎駅で上越線に乗り換え)伊香保温泉行きバスにて約15分、「グリーン牧場前」下車。
車― 関越自動車道「渋川伊香保インター」より伊香保温泉に向かって8㎞、約15分。

ウェブサイト: http://www.haramuseum.or.jp
携帯サイト: http://mobile.haramuseum.or.jp
ブログ: https://www.art-it.asia/u/HaraMuseum
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