展覧会:花代|灰色区域

 花代は、写真集『ハナヨメ』を1996年に発表。ガーリーフォトの草分け的存在であり、「何気ない日常」という被写体は変わらぬものの、当初の明るくポップな作風から、現在はより幻想的で叙情的な写真へと変化を続けています。

 今回の個展では、写真が本質的にそなえる男性原理から、軽やかに逸脱する表現を追求してきた花代のあらたな試みである、一昨年以降に撮影されたモノクローム作品を展示致します。焦点をぼかしたフレームワークに、モノクロームの世界が合わさり、観る人に強いノスタルジーを喚起する作品展示となっております。

 15年の歳月を経てドイツより帰国した花代が、再び出会った日本。そこで撮影された“灰色区域”は、花代が生まれ育ったこの地に堆積する時間と刹那的な瞬間を美しく切り取った、花代にとっての今そのものとなります。
CoSTUME NATIONALは日本文化とコンテンポラリーアートの両接点を大切にしている中で、花代の持つ独自の世界観に強く共鳴し、青山旗艦店での当個展が実現致しました。CoSTUME NATIONALの永遠のアイコンカラーである“モノクローム”の作品のみを選んだ個展は、東京では初めての開催となり、当個展では、2013年の“灰色区域”大阪プレ公開時の作品に加え、新たな作品も多数追加されております。

 この機会に、花代の叙情的な作品とCoSTUME NATIONALのミニマムな世界観とのコントラストをぜひ体感して下さい。

会期:2014年2月13日〜5月15日
場所:CoSTUME NATIONAL | LAB
時間:11:00〜19:00
休業:不定休(詳しくはウェブサイト参照)
http://www.cnac.jp/exhibition/recent/index.php

花代
1970年生まれ。15年におよぶベルリンでの活動を経て、2010年、東京に拠点を移す。幼い頃から写真、音楽、演劇に親しみ、アメリカやヨーロッパ各地で過ごす。7年間、花柳界で芸妓修行。92年に芸妓姿で『The Face』誌の表紙を飾るなど、アーティスト、ミュージシャン、パフォーマー、モデルなど多彩な顔を持つ。自身の日常を幻想的な色彩で切り取る写真、映像、またこうした要素に音楽や立体表現を加えたインスタレーションをてがけるなど、国内外で幅広く活躍する。
http://www.hanayo.com/


Hanayo untitled 2012 gelatin silver print (C)Hanayo
Courtesy of Gallery Koyanagi

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