長島有里枝に初めて会ったのは1994年のことなので、かれこれ15年は遡る。その前年に渋谷パルコで開かれていた公募展『アーバナート#2』で荒木経惟に見初められ、家族と撮影した全裸のポートレートでパルコ賞をとって間もない頃だった。当時、同じ渋谷の旧タワーレコード近くで、秋田敬明がマンView More >

長島有里枝に初めて会ったのは1994年のことなので、かれこれ15年は遡る。その前年に渋谷パルコで開かれていた公募展『アーバナート#2』で荒木経惟に見初められ、家族と撮影した全裸のポートレートでパルコ賞をとって間もない頃だった。当時、同じ渋谷の旧タワーレコード近くで、秋田敬明がマンView More >
『破滅 → 再生ラウンジ〈LIVE2(インスタレーション)〉 ——アーキテクチャ時代のイメージ』2010年 写真提供:NANZUKA UNDERGROUND 本連載第6回でのカオス*ラウンジ展評(髙橋コレクション日比谷)に続き、先頃、雑誌『新潮』(2010年8月号)に破滅*ラウView More >
前編はこちら 教育、文化、学術を排他的に自立させぬことには成立しない省庁的な行政区分では、ひとたびこの領域を文部省が所轄するようになれば、文化をめぐる為政から市場原理や産業的奨励が排除されるのは当然のことだろう。むずかしいのは、市場原理や産業指数に代わって文化がおのれの価値を自己View More >
後編はこちら 新潟市美術館 2007年に在野から招かれ新潟市美術館の館長職にあった北川フラム氏が、09年の夏に報じられた展示作品へのカビ発生騒動に続き、今年になって発見された虫「約40匹」の責任を取るかたちで更迭されたのは記憶に新しい。むろん、収蔵作品に致命的なダメージを与えかねView More >
『カオス*ラウンジ2010 in 高橋コレクション日比谷』展示風景 2010年 4月16日、村上隆の主宰する「GEISAI大学」(於カイカイキキギャラリー)で、アーティストにして美術批評家、黒瀬陽平によるレクチャーが行われた。黒瀬氏はそこで、みずからキュレーションを手掛けた『カオView More >
日本の近代美術の成り立ちに関心がある人にとって、アーネスト・フェノロサの名は特になじみ深いものだろう。とりわけ岡倉天心を従えて日本画の復興と革新にあたり、廃仏毀釈で損なわれた仏像の価値などに新たな光(信仰の対象ならぬ「文化財」)を当てたことの意義は強調してしすぎることはない。要はView More >
『躍動する魂のきらめき—日本の表現主義』展会場風景 2009年 写真提供:松戸市博物館 話題の展覧会『躍動する魂のきらめき—日本の表現主義』をやっと見ることができた。昨年来の評判からすると後れをとってしまった感は免れない。巡回会場の松戸市博物館に足を運ぶのは初めてで、都心からのアView More >
『近代の東アジアイメージ——日本近代美術はどうアジアを描いてきたか』会場風景 豊田市美術館 2009年 先ごろ出た新刊著書、呉美姃(オ・ミチョン)『安部公房の〈戦後〉』(クレイン)は、なかなかに興味深い本だった。安部公房といえば、その実験的で抽象化した文体で、15年戦争の体験を反View More >
平成22年度の国家予算配分をめぐる、行政刷新会議による「事業仕分け」が話題となっている。いわゆるスパコンなどが「廃止」から一転、息を吹き返したように、どうやらこの会議による仕分けが最終判断ということではないらしい。が、ここで示された方向性が今後、行政の向かうひとつの大きな流れとなView More >
今月から月評が始まることになった。いま、その初回の原稿を書こうと机に向かったところだ。月にひとつの展覧会レビューなら『美術手帖』誌で書いているので、ここでは別のかたちを探ってみようと思う。1本に絞るのではなく、複数の展覧会や事象について書くことになるだろう。が、いっそ生活するなかView More >