飯川雄大 大事なことは何かを見つけたとき @ 水戸芸術館現代美術ギャラリー

飯川雄大《デコレータークラブ―新しい観客》2022年、「感覚の領域 今、「経験する」ということ」展(国立国際美術館、大阪)と個展「デコレータークラブ:メイクスペース、ユーズスペース」(兵庫県立美術館)での連携実施、Photo: Takehiro Iikawa, courtesy of the artist

 

飯川雄大 大事なことは何かを見つけたとき
2026年2⽉28⽇(土)-5⽉6⽇(水・振)
水戸芸術館現代美術ギャラリー
https://www.arttowermito.or.jp/
開館時間:10:00–18:00(入場は17:30まで)
休館日:月(ただし、5/4は開館)
企画担当:畑井恵(水戸芸術館現代美術センター学芸員)
展覧会URL:https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5360.html

 

水戸芸術館現代美術ギャラリーでは、時間の相対性や知覚のゆらぎ、日常に潜む違和感や曖昧さに着目し、多様なメディアや手法を用いて作品を制作してきた、飯川雄大の個展「大事なことは何かを見つけたとき」を開催する。

飯川雄大(1981年兵庫県生まれ)は、公共空間や展示の仕組みに目を向けながら、観客の身体感覚や想像力、場の偶発性によって変容する作品を手がけてきた。記録という行為とそこからこぼれおちるものの考察から生まれた〈デコレータークラブ〉シリーズでは、巨大なピンクの猫を街中に突如出現させたり、鑑賞者のかかわりによって移動・変化するオブジェを屋内外に設置したりと、立体、絵画、写真、映像等を自由に組み合わせ、空間の特性を生かした作品を展開している。代表作に、観客の能動的な関与によって空間や物の在り方を変化させ、新たな関係性を立ち上げる《0人もしくは1人以上の観客に向けて》、視覚の断片を手がかりに空間を読み解いていく《配置・調整・周遊》がある。現在は神戸を拠点に活動。主な個展に「未来のための定規と縄」(霧島アートの森、鹿児島、2023)、「同時に起きる、もしくは遅れて気づく」(彫刻の森美術館、神奈川、2022)。主なグループ展に「感覚の領域 今、『経験する』ということ」(国立国際美術館、大阪、2022)、ヨコハマトリエンナーレ2020がある。2026年4月には、本展と同時期にKOTARO NUKAGA(天王洲)とgallery αMでも個展の開催を予定している。

 

飯川雄大《デコレータークラブ―0人もしくは1人以上の観客に向けて》2024年、東京都渋谷公園通りギャラリーでの展示風景、Photo: Takehiro Iikawa, courtesy of the artist
飯川雄大《デコレータークラブ―配置・調整・周遊》2020年、「ヨコハマトリエンナーレ 2020」(PLOT48)での展示風景、Photo: Takehiro Iikawa, courtesy of the artist

 

本展では、ドローイング、写真、映像作品を通して飯川のこれまでの実践を包括的に紹介するとともに、情報の曖昧さや感覚の不完全さを新たな可能性として捉え、鑑賞者を巻き込む新作インスタレーションを発表する。また、美術館の枠組みを超える試みとして、展示室に置かれた作品《ベリーヘビーバッグ》を鑑賞者自身が運び出し、同時期に個展を開催している3会場(Art Center NEW、KOTARO NUKAGA(天王洲)、gallery αM)へ移動させるプロジェクト《デコレータークラブ―新しい観客》を実施。作品を運ぶ鑑賞者は、展示空間の内と外のつながり、「見る/見られる」の関係性、日常と非日常を隔てる境界といった問いを抱えながら、遠く離れた目的地への道のりを想像し、実際にその場所へと向かうことになる。街の風景に擬態するように紛れ込んだその姿を目撃した人々もまた、思いがけず作品に巻き込まれていく。「運ぶ人」と「見る人」の双方を「新しい観客」へと変え、それぞれの立ち位置からの視点を交差させる。

また、同時開催のクリテリオムでは、音や詩を主なメディアとし、ある土地の社会的、歴史的、感情的な側面へとアプローチする作品を制作する白丸たくト(1992年兵庫県生まれ)を現代美術ギャラリー第9室で紹介する。白丸は山形、水戸、大洗へと拠点を移しながら、地形や異なる時代の出来事を自らの体感と交錯させ、その土地で編まれた言葉や詩に触れるなかで、音や言葉、アクション、記録などを組み合わせた表現の探求を続けてきた。詩人の言葉に曲をつけ歌うことで他者の感情や環境との共鳴を問いかけた「詩人の声を歌に訳す」(2016-)や、空間や人との干渉をとおして展示を変容させる「或いは潮の満ち引きのように」(2024-)など、風景と身体への関心に根ざしながら、身体性やその不在を取り込みながら作品を展開している。本展では、白丸が現在拠点を置く茨城県大洗町とその周辺に目を向け、そこに流れる人やもののあり様から構想した新作を発表する。

 

飯川雄大《デコレータークラブ―ピンクの猫の小林さん》2022年、彫刻の森美術館(神奈川県)での展示風景、Photo: Takafumi Sakanaka, courtesy of the artist
飯川雄大《デコレータークラブ―ベリーヘビーバッグ》2021年、千葉市美術館での展示風景、Photo: Takehiro Iikawa, courtesy of the artist

 

関連イベント
オープニング・トーク
2026年2月28日(土)14:00–15:30(開場:13:30)
会場:水戸芸術館 現代美術ギャラリー ワークショップ室
出演:飯川雄大
定員:80名(先着順)

アーティストによるギャラリーツアー
2026年3月8日(日)、29日(日)、4月12日(日)各日14:00–15:00
会場:水戸芸術館 現代美術ギャラリー
出演:飯川雄大
定員:15名(先着順、事前申込制)
※全日キャンセル待ち、詳細はウェブサイトを参照

アーティスト・ワークショップ「0人もしくは1人以上の観客にむけて」
2026年3月14日(土)、15(日)10:00–16:00 ※全2日間で1つのプログラム
会場:水戸芸術館内
講師:飯川雄大
対象:小学生以上 ※7歳以下は保護者同伴
定員:15名(先着順、事前申込制) ※2日間とも参加可能な方
参加費:一般2,000円、高校生以下1,000円(展覧会入場料込み)
※キャンセル待ち、詳細はウェブサイトを参照

ウィークエンド・ギャラリートーク
2026年3月14日(土)より毎週土曜 各日14:30–約40分(予告なく中止となる場合あり)
会場:水戸芸術館 現代美術ギャラリー

「0人もしくは1人以上の観客にむけて」水戸芸術館内に仕掛けられた作品を見る!
2026年3月17日(火)-3月29日(日)10:00–18:00
会場:水戸芸術館内

赤ちゃんと一緒に美術館散歩
2026年3月18日(水)、22日(日)各日10:30–12:00
会場:水戸芸術館 現代美術ギャラリー
対象:未就学児とその保護者
定員:各回5組(先着順、事前申込制)
参加費:未就学児無料、保護者1,500円(展覧会入場料込み/2人目からは入場料のみ)、入場料減免対象者1,000円
※全日キャンセル待ち、詳細はウェブサイトを参照

アーティスト・トーク
2026年4月29日(水・祝)14:00–15:30(開場:13:30)
会場:水戸芸術館 現代美術ギャラリー ワークショップ室
出演:飯川雄大、宮元三恵(東京工科大学教授)
定員:80名(先着順)

 


同時開催
クリテリオム102 白丸たくト
2026年2月28日(土)-5月6日(水・振)
水戸芸術館現代美術ギャラリー第9室
企画担当:後藤桜子(水戸芸術館現代美術センター学芸員)
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5401.html

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