高知の前衛 高﨑元尚と浜口富治 @ 高知県立美術館

「理由なくデモして街を歩く」(高知市帯屋町界隈でのパフォーマンス風景)1961年 個人蔵

 

高知の前衛 高﨑元尚と浜口富治
2026年2⽉28⽇(土)-3⽉31⽇(火)
高知県立美術館
https://moak.jp/
開館時間:9:00–17:00(入場は16:30まで)
休館日:会期中無休
企画担当:塚本麻莉(高知県立美術館学芸員)
展覧会URL:https://moak.jp/event/exhibitions/zenei.html

 

高知県立美術館では、高知出身の美術家、高﨑元尚と浜口富治の活動を辿り、1960年代の高知で起きた前衛美術運動の実像に迫る展覧会「高知の前衛 高﨑元尚と浜口富治」を開催する。

高﨑元尚(1923–2017/高知県香美市生まれ)は、学徒動員されて復員したのち、1949年に東京美術学校(現東京藝術大学)彫刻科を卒業。1950年代は絵画と写真の両分野に取り組み、幾何学図形による画面構成を特徴とする絵画や主観主義写真の系譜に属する写真作品を発表した。1958年に「抽象絵画の展開」展(東京国立近代美術館)に出品。1962年、前衛美術グループ「前衛土佐派」を結成。1963年に《装置》を発表して注目を集め、1966年に具体美術協会のメンバーとなる。1960年代後半からは行為に重きを置いた作品へと転じ、「密着」、「破壊」といったシリーズを展開。2017年には高知県立美術館で「高﨑元尚新作展 破壊-COLLAPSE-」を開催した。長年土佐中学・高等学校の教諭を務め、多くの美術作家を指導した。

浜口富治(1921–2009/高知県赤岡町に生まれ)は復員後、洋画家の山脇信徳に師事して絵画を描き始める。1955年、松澤宥らと「アルファ芸術陣」を結成、第7回読売アンデパンダン展に出品。1960年頃から従来的な絵画表現から脱し、舟板や刃物を用いた作品を制作するが、第14回読売アンデパンダン展でそうした作品が出品拒否にあう。同年、高知で「前衛土佐派」を結成。1963年、第15回読売アンデパンダン展会場前で「動くオブジェ巡回移動展」と称して、「動くオブジェ」をゲリラ発表する。1970年以降は前衛美術運動から離れて洋画や俳句の世界に接近、高知県展の理事や顧問を歴任した。

 

高﨑元尚《装置 66-6》1966年 高知県立美術館蔵
浜口富治《海の残骸》1961年 高知県立美術館蔵

 

本展では、高知県立美術館が継続的に進めてきた高﨑元尚と浜口富治の調査成果として、新たに確認された作品や資料を一挙に公開する。長らく全体像が捉えられなかった浜口の1960年代の活動や、高﨑が《装置》を発展させていく過程を、初めて体系的に辿り直す機会となる。また、前衛土佐派に参加した地元作家の作品に加え、彼らと並走した詩人たちの活動にも注目することで、これまで十分に語られてこなかった1960年代高知のアートシーンを浮かび上がらせる。

 

主な出品作家
高﨑元尚、浜口富治、入交京子、大西清澄、小原義也、坂田和、志賀健蔵、須藤康夫、高野朗、武内光仁、竹村文男、谷岡久、谷平務、寺尾孝志、日和崎尊夫、堀愼吉、正延正俊、三木一成、宮地俊一郎、宮本初義、柳原睦夫、ほか

 

関連イベント
担当学芸員によるギャラリートーク
2026年3月1日(日)、3月29日(日)各日13:30–
会場:高知県立美術館 2階 高知の前衛展会場
※要観覧券、事前予約不要

対談「コレクティブの時代」から前衛土佐派をプレイバックする
2026年3月15日(日)13:30–14:30
会場:高知県立美術館 1階 講義室
ゲスト:原田裕規(アーティスト)
※無料、事前予約不要

サタデーレクチャー「高﨑元尚と浜口富治の1960年代」(仮)
2026年3月21日(土)13:30–14:30
会場:高知県立美術館 1階 講義室
講師:塚本麻莉(本展担当学芸員)
※無料、事前予約不要

白木谷国際現代美術館バスツアー
2026年3月14日(土)12:00–15:30
料金:一般 3,000円、高校生以下、年間観覧券・各種手帳所持者 1,500円
対象:小学生以上(20名、先着順)
※申込は電話から、詳細はウェブサイトを参照

 

高﨑元尚《密着》1969年
浜口富治《メカニズムを閉じ込めたよろこび》1963年 高知県立美術館蔵
高知大丸で行われた前衛土佐派展(1962年)

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