Tokyo Contemporary Art Award 2024–2026 受賞記念展「湿地」(梅田哲也、呉夏枝)
2025年12月25日(木)-2026年3月29日(日)
東京都現代美術館
https://www.tokyocontemporaryartaward.jp/exhibition/exhibition_2024_2026.html
開館時間:10:00–18:00
月(ただし、1/12、2/23は開館)、12/28-1/1、1/13、2/24
入場料:無料
主催:東京都、トーキョーアーツアンドスペース/東京都現代美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)
東京都とトーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)は、Tokyo Contemporary Art Award 2024-2026の受賞者の梅田哲也と呉夏枝による受賞記念展を東京都現代美術館で開催する。
「Tokyo Contemporary Art Award(以下、TCAA)」は、東京都とトーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)によって、2018年より中堅アーティストを対象に、受賞から複数年にわたる継続的支援によって更なる飛躍を促すことを目的とした現代美術賞。過去には風間サチコ、下道基行、藤井光、山城知佳子、志賀理江子、竹内公太、サエボーグ、津田道子が受賞し、受賞記念展が開催された。
本展に向けて梅田と呉は受賞直後から対話を重ね、それぞれの作品のコンセプトを共有し、受賞記念展に対するイメージを形成していった。近年「海路」や「水路」など水にまつわる考察を作品の重要な要素に取り入れてきたふたりは、その対話の過程で展覧会タイトルを「湿地」に定めた。水と陸のはざまに位置し多様な生態系を有する湿地という場所性は、本展における両者の作品の交流とも重ね合わせることができ、互いの作品が空間の中で関係し合う展示構成へとつながっている。
呉 夏枝《海鳥たちの庭》2022年 「六本木クロッシング2022展: 往来オーライ!」展示風景(森美術館、東京) 撮影:木奥惠三 画像提供:森美術館
呉 夏枝《彼女の部屋にとどけられたもの》2019年 撮影:根本 譲 画像提供:水戸芸術館現代美術センター
本展で呉は、TCAAの海外活動を経て制作された新作や、日本・韓国・オーストラリアを中心に個人の記憶を辿りながら2017年より制作を続けてきたプロジェクト「grand-mother island project」を展示する。梅田は、呉の作品も展示される空間に新たな導線を設け、随所に動的な音響のオブジェクトを組み込むことで、作品を鑑賞するための制度としての美術館に対する視点の転換を試みる。なお、2026年8月頃には、出品作品を含む作品画像、作家のテキスト、専門家の寄稿を収録した各アーティストのモノグラフ(作品集)が日英バイリンガルで発行される予定。
呉夏枝(1976年大阪府生まれ)は、織や染め、ほどくといった技法を中心に、写真(サイアノタイプ)、テキスト、音声などを組み合わせたインスタレーションを制作している。在日韓国人三世としての出自を背景に、言葉にされなかった「沈黙の記憶」を巡る表現を通じて、記憶の継承の可能性を探求している。2017年から継続する「grand-mother island project」では、東アジアや太平洋を往来した人々の軌跡を手がかりに、海路を通じてつながる個人の物語や歴史を親密に想像し、記憶するための場の創出を試みている。主な展覧会に、第11回アジア・パシフィック・トリエンナーレ(クイーンズランド州立美術館/現代美術館、2024)、「ANTEPRIMA×CHAT Contemporary Textile Art Prize 2024」(Centre for Heritage, Arts and Textile、香港、2024)、「六本木クロッシング 2022:往来、オーライ」(森美術館、東京、2022)など。また、東京都写真美術館で開催中の「遠い窓へ 日本の新進作家 vol. 22」(2026年1月7日まで)では「grand-mother island project」から、《Seabird Habitatscape》が展示されている。
梅田哲也(1980年熊本県生まれ)は、現地にあるモノや日常的な素材と、物理現象としての動力を活用したインスタレーションを制作する一方で、パフォーマンスでは、普段行き慣れない場所へ観客を招待するツアー作品や、劇場の機能にフォーカスした舞台作品、中心点を持たない合唱のプロジェクトなどを発表。先鋭的な音響のアーティストとしても知られる。近年の主な展覧会に、個展「水門」(大阪市此花区四貫島、2025)、「阪神・淡路大震災30年 企画展「1995 ⇄ 2025 30年目のわたしたち」」(兵庫県立美術館、2024-2025)、個展「wait this is my favorite part 待ってここ好きなとこなんだ」(ワタリウム美術館、東京、2023-2024)、個展「梅田哲也 イン 別府『O滞』」(別府市内各所、2020-2021)、個展「うたの起源」(福岡市美術館、2019-2020)、個展「See, Look at Observed what Watching is」(ポートランド現代美術研究所[PICA]、2016)。主な公演とパフォーマンスに、「シアターウォーク/A Walk in Theater」(メニコン シアターAoi、愛知、2025)、「9月0才」(高槻現代劇場、大阪、2022)、「Composite: Variations / Circle」(Kunstenfestivaldesarts 2017、ブリュッセル)、「INTERNSHIP」(国立アジア文化殿堂、2016/KAAT神奈川芸術劇場ホール、2018)などがある。
梅田哲也「wait this is my favorite part 待ってここ好きなとこなんだ」展示風景(ワタリウム美術館、東京、2023)撮影:天野祐子
梅田哲也「梅田哲也イン別府『O 滞』」(別府各所ほか、2020)撮影:天野祐子
アーティスト・トーク
2026年1月10日(土)15:00–16:30(開場 14:30)
会場:東京都現代美術館 B2F 講堂
出演:梅田哲也、呉夏枝、高橋瑞木(CHAT 館長兼チーフキュレーター/TCAA 2024-2026 選考委員長)、本展担当学芸員
モデレーター:塩見有子(特定非営利活動法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]ディレクター/TCAA選考会運営事務局)
定員:180名(無料、要事前申込)
申込フォーム:https://tokyocontemporaryartaward.jp/news/form/3780
※申込は1/9まで。日英同時通訳、日本手話通訳あり
梅田哲也構成・演出『プレイタイム』上映会+アフタートーク
2026年1月12日(月・祝)15:00–17:00(開場 14:30)
会場:東京都現代美術館 B2F 講堂
定員:180名(無料、要事前申込)
映像提供:Bunkamura(企画・製作) NTT東日本(協力)
申込フォーム:https://tokyocontemporaryartaward.jp/news/form/3781
※申込は1/11まで。上映開始後の入退室不可
※その他、各種イベントを開催予定。詳細はTCAAウェブサイトを参照
