キュレーション公募2025選定 展覧会「コンパスと遠近の囁き」@ ギャラリー無量

​デザイン:こやまりえこ

 

キュレーション公募2025選定 展覧会
「コンパスと遠近の囁き」
2025年10月24日(金)-11月16日(日)
ギャラリー無量(富山県砺波市庄川町示野233)
https://www.gallery-muryow.com/
開廊時間:10:00–12:00、13:00–17:00
開廊日:月、火、水、木
観覧料:500円
​キュレーター:保泉エリ
アーティスト:中根隆弥、羽室陽森、平井亨季、保泉エリ
展覧会URL:https://www.gallery-muryow.com/2025ex03

 

ギャラリー無量では、新たなキュレーションに挑むキュレーターを対象とした公募「キュレーション公募2025」の選定企画として、保泉エリがキュレーターを務める展覧会「コンパスと遠近の囁き」を開催する。

同公募は2021年に開始し、今回で4回目となる。審査員は、黒部市美術館学芸員の尺戸智佳子、インディペンデント・キュレーターの長谷川新、青森県立美術館学芸員の松江李穂、十和田市現代美術館館長の鷲田めるろが務めた。選定にあたっては、ギャラリー無量ならではの企画性と、事前リサーチに基づく綿密な作品案・展示計画を評価。さらに、砺波の地理・歴史を掬い上げる視点、壁や導線などの空間要素を再解釈して来場者との関係を結び直す試み、地域性を踏まえた具体的プランとテーマの明確な接続が決め手となった。

本展タイトルの「コンパス」は、測定器具としての意味だけでなく、ラテン語のcom(共に)とpassus(一歩)を語源とする「歩測」の概念を持ち、次第に「円、サイズ、広がり」「範囲、限界、境界」「音域」といった意味へと展開していった。本展では、物理的な距離や境界の意味が変容する現代において、「測る」という行為の本質を問い直す必要があると考え、中根隆弥、羽室陽森、平井亨季、保泉エリの4名がそれぞれの「コンパス」で砺波の土地を辿り、表現として開拓する。個と全体、自然と人為、過去と現在といった二項対立を越え、人と土地との結びつきについて、共に考える場を提示する。

 

中根隆弥(1996年山梨県生まれ)は、流木や古新聞など時間の蓄積した物質を用いて、ドローイングを描くための装置を制作し、人々が抱える不完全さを「生(なま)」と捉えながら、Drawing Machineと身体を通してその重要性を追求している。2021年に静岡大学教育学研究科学校教育研究専攻美術教育専修造形制作論分野を修了。主な展示に「IAG AWARDS 2024 EXHIBITION 」(東京芸術劇場、2024)、個展「Drawing Machine 生の体現ー 本能と生を感じる展覧会」(静岡市文化・クリエイティブ産業振興センター、2024)、「トビチ美術館 2023 偶然、ここで。展」(旧安藤精麦、長野、2023)。

羽室陽森(1994年千葉県生まれ)は、石膏やブロンズ、石を用いたトラディショナルな人体彫刻を制作する一方で、自身の目にうつる物事と普遍的な物事との重なりについて着目した彫刻表現も行なう。現在、筑波大学大学院博士後期課程芸術学学位プログラムに在籍。主な展示に、個展「みちくさ」(ギャラリー青羅、東京、2024)、「第73回千葉県美術展覧会」(千葉県立美術館、2024)、「たとえば、みたいな、かんじで。」(ギャラリイK、東京、2024)、「余熱と余韻 羽室陽森×矢野晋次」(GALERIE SOL、東京、2023)、「第51回日彫展」(東京都美術館、2022)。

平井亨季(1996年広島県生まれ)は、フィールドワークに基づくアニメーションと地図を組み合わせることで、自身の体験と文化地理学的視点から地誌を再解釈し、従来の歴史観・枠組みを読み替える作品を制作している。2021年に東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻を修了。主な展示に「小諸アーティストインレジデンス成果展Komoro Mori More2024」(長野、2024)、「Hiroshima MoCA FIVE 23/24」(広島市現代美術館、2024)、『「Artists in FAS 2022」入選アーティストによる成果発表展 』(藤沢市アートスペース、神奈川、2023)。

保泉エリ(1996年広島県生まれ)は、展示空間と生活空間を接続し、素材の人体と生身の人体の違いについて考え制作を行なう。本展では、砺波出身の彫刻家・永原廣(1905-1993)に着目し、時代を越えた対話を生み出そうとする。現在、筑波大学大学院博士後期課程芸術学学位プログラムに在籍。主な展示に「眼差しを移す」(加納実紀代資料室サゴリ、広島、2025)、個展「プライベートパブリック」(callbox、東京、2025)、「Hiroshima MoCA FIVE 23/24」(広島市現代美術館、2024)、「たとえば、みたいな、かんじで。」(ギャラリイK、東京、2024)、個展「彫刻の在処」(小金井アートスポットシャトー2F、東京、2022)。

 

関連イベント
中根隆弥「ライブドローイング」
2025年11月1日(土)15:00–15:30
会場:ギャラリー無量

平井亨季ワークショップ「触って作る映像」
2025年11月8日(土)13:00–16:00
会場:ギャラリー無量
参加費:500円(別途鑑賞料)
定員:5名(先着順)
申込:https://forms.gle/BshSYoptCScQPk2P6

クロージングトーク​
2025年11月16日(日)15:00–17:00
会場:ギャラリー無量
司会進行:長谷川新(インディペンデントキュレーター)
参加者:中根隆弥、羽室陽森、平井亨季、保泉エリ

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