川内理香子 The shape of water hardens into stone. @ 黒部市美術館

川内理香子《The dung of the palm trees that grows from the feet becomes fruit and blends into the jungle. Everyone wants it very much.》2023年, oil on canvas, Photo by Shintaro Yamanaka (Qsyum!)

 

川内理香子 The shape of water hardens into stone.
2025年10月25日(土)–12月28日(日)
黒部市美術館
https://kurobe-city-art-museum.jp/
開館時間:9:30–16:30 入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし11/3、11/24は開館)、11/4、11/5、11/25、11/26
展覧会担当:尺戸智佳子(黒部市美術館学芸員)
展覧会URL:https://kurobe-city-art-museum.jp/2025/08/14/rikako-kawauchi-the-shape-of-water-hardens-into-stone/

 

黒部市美術館では、食への関心を起点とし、身体と思考、自己と他者、それらの境界の不明瞭さや、消化や排泄、食べることとそこから作られる身体を世界創造の起点とする神話の世界などをモチーフに、絵画作品を中心にさまざまな表現を手がける川内理香子の個展「The shape of water hardens into stone.」を開催する。

川内理香子(1990年東京都生まれ)は、その色彩豊かな絵画作品により、第1回CAF賞における保坂健二朗賞(2014)、SHISEIDO ART EGG賞(2015)、TERRADA ART AWARD 2021における寺瀬由紀賞(2021)、「VOCA展2022 現代美術の展望ー新しい平面の作家たち」におけるVOCA賞(2022)を受賞してきた。近年の主な個展に「INNER VECTOR: 11, 72, 2154」(非畫廊 Beyond Gallery、台北、2025)、「Paintings & Drawings – Food, Animals, Organs, Plants, Bodies, etc, everything outside me is everywhere in the air, I breathe them in, I breathe them out.」(Van der Grinten Galerie、ケルン、2024)、「Under the sun」(アニエスベー ギャラリー ブティック、東京、2024)、「Even the pigments in paints were once stones」(WAITINGROOM、東京、2023)、「The Voice of the Soul」(ERA GALLERY、ミラノ、2023)など。主なグループ展に「開館5周年記念展 ニュー・ユートピア—わたしたちがつくる新しい生態系」(弘前れんが倉庫美術館、青森、2025)、「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」(東京都現代美術館、東京、2024)、「Body, Love, Gender」(Gana Art Center、ソウル、2023)、「アーツ前橋開館10周年記念展 – New Horizon 歴史から未来へ」(アーツ前橋、群馬、2023)など。

 

川内理香子《all same brain》2024年, watercolor and pencil on paper, Photo by Taku Shindoh
川内理香子《Anatomy》2025年, oil on canvas, Photo by Taku Shindoh

 

眠くなる、お腹がすく、あるいは消化、排せつ等の意識ではコントロールの難しい生理的現象や、食事を通した外界と身体との交わりなど、思考と身体、内と外というような「私」に関わるさまざまな境界に大きな関心を寄せる川内理香子。公立美術館では初めての個展となる本展を準備する上で黒部近郊を訪れた川内は、山の大理石の露頭、洞杉群(巨石の上に根を張った巨大な杉)、石仏、滝、川、河口、海、さまざまな場所の水や石と出合い、その地域の環境が川内自身の制作方法や関心と共鳴することで、本展のコンセプトが構想されることとなった。展覧会タイトル「The shape of water hardens into stone.」もその過程から生まれてきたもので、さまざまなものが等価に交じり合い、別々でありながらも調和しており、それら世界のものごとは、川のように流れ、また別の何かへと繋がっていくようなイメージが、本展の土台を為している。

本展では、絵具や線のダイナミックな流れ、その大きな世界の中に息づく小さな食物や動物等の作品群が、個でありながらもひとつのインスタレーションのような空間を構成。川内は、小さな作品を組み合わせてひとつの大きな絵のように見せる試みや、個々の石彫が繋がり蛇のようになった新作《snake》など、一と多を行き来するような新たな表現や見せ方にも挑戦する。

 

川内理香子《Waterfall》2025年, stone, Photo by Shintaro Yamanaka (Qsyum!)
川内理香子《snake》2025年, stone, Photo by Shintaro Yamanaka (Qsyum!)

 

関連イベント
オープニングセレモニー&アーティストトーク
2025年10月25日(土)
14:00–14:15頃|オープニングセレモニー
14:15–14:45頃|アーティストトーク
会場:黒部市美術館 展示室等
※要展覧会観覧券

見て!感じて!作品鑑賞バスツアー
2025年11月9日(日)
ガイド:長谷川憲二(フィールドミュージアムガイド)、尺戸智佳子(黒部市美術館)
コース:本展鑑賞&ギャラリートーク–バス車内でジオのお話し&各自ランチ–称名滝〔紅葉〕–片貝川河口
集合場所:黒部市生涯学習文化スクエア「ぷらっと」、黒部市美術館
集合時間:9:00(ぷらっと)、9:30(黒部市美術館)
解散時間:16:30頃(ぷらっと)、17:00頃(黒美)
参加料:2500円(入館料・ガイド代等含む)
持ち物:昼食、飲み物、動きやすい服装、履きなれた靴、雨具
定員:18名
申し込み:ぷらっと TEL:0765-65-1810(受付:9/12–10/31、休館日:月曜日、祝日の翌日)
美術館 TEL/FAX:0765-52-5011(受付:9/12–11/8、休館日:月曜日、祝日の翌日)
共催:黒部市生涯学習文化スクエア「ぷらっと」

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