
髙田安規子・政子 Perspectives この世界の捉え方
2025年8月26日(火)–12月7日(日)
資生堂ギャラリー
https://gallery.shiseido.com/jp/
開館時間:11:00–19:00(日、祝は18:00まで)
休館日:月(月曜が祝日にあたる場合も休館)
展覧会担当:豊田佳子(資生堂ギャラリー学芸員)、眞家恵子(資生堂ギャラリー学芸員)
展覧会URL:https://gallery.shiseido.com/jp/exhibition/tag_exhibition/future/
資生堂ギャラリーでは、身近な素材を用い、空間や時間の「スケール(尺度)」をテーマに制作、一卵性双子のユニットで活動する髙田安規子・政子の展覧会「髙田安規子・政子 Perspectives この世界の捉え方」を開催する。
髙田安規子・政子(ともに1978年東京都生まれ)は、数学や物理学的アイデアを背景に繊細な手仕事や緻密な構成により作品を制作。アートと科学を融合させた独自の感性による表現を展開している。また、展示する場所をリサーチし、その特性を生かした展示を行なうことでも知られている。安規子は多摩美術大学美術学部彫刻学科、政子は東京造形大学美術学部比較造形学科を2001年に卒業し、ともに渡英。2005年にロンドン大学スレード美術学校人文学部彫刻科の修士課程を修了。これまでの主な個展に、「クリテリオム 78」(水戸芸術館現代美術ギャラリー、2010)、「Going down the rabbit hole」(MA2ギャラリー、東京、2022)、「公開制作 88 – 高田安規子・政子」(府中市美術館、2023–2024)。主なグループ展に、「BigMinis」(ボルドー現代美術館、2010)、「MOTアニュアル2014 フラグメント―未完のはじまり」(東京都現代美術館、2014)、「線を聴く」(銀座エルメスフォーラム、2015)、「春をまちながら やがて色づく景色をもとめて」(十和田市現代美術館、2015)、「さいたまトリエンナーレ2016」、「装飾は流転する 今と向きあう7つの方法」(東京都庭園美術館、2017)、「センス・オブ・スケール」(横須賀美術館、2019)、「日常のあわい」(金沢21世紀美術館、2021)、「部屋のみる夢-ボナールからティルマンスまで」(ポーラ美術館、2023)がある。



髙田安規子・政子は、2024年に資生堂企業資料館、資生堂アートハウスの両施設(静岡県掛川市)を訪れ、資生堂の社名の由来である易経(えききょう)の一節「至哉坤元 万物資生(いたれるかなこんげん ばんぶつとりてしょうず)」(大地の徳はなんと素晴らしいものであろうか。すべてのものは、ここから生まれる)に出合う。自分たちの自然観と重なり合うこの一節に着想し、本展では、「万物資生」の考えを起点に、生命やその成り立ち、進化の歴史を時間の層として描き出しながら、自然の法則で宇宙までつながる時空間を、スケールとともに巨視的・微視的に捉え可視化することを試みる。
本展は、床から踊り場の床下までつながる本棚に、約500冊の本と、そのあいだに鉱石や化石を配置し、生物の誕生から人新世までの時と知の連なりを地層に見立てた新作《Strata》、割れた砂時計からあふれ出した砂、石、岩で構成され、時間の概念について考えさせると同時に受け継がれていく生命、あるいは生命の終焉を想起させる新作《Timepiece》、自然界に広くみられるフラクタル形態を用いて自然の摂理における「個」と「全体」について言及した《Can’t see the forest for the leaves》 、すべての生命の源となる光をテーマにした《Spectrum》など、新作とこれまでの作品を再構成したものを中心に約20点を発表する。

