大竹伸朗展 網膜 @ 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

大竹伸朗《網膜/碧放射》1989-2024年 ©Shinro Ohtake Photo by Shimpei Yamagami

 

大竹伸朗展 網膜
2025年8月1日(金)–11月24日(月・休)
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
https://www.mimoca.jp/
開館時間:10:00–18:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月(8/11、9/15、10/13、11/3、11/24は開館)、9/16、10/14、11/4
展覧会担当:中田耕市(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 副館長兼チーフ・キュレーター)、古野華奈子(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 学芸員)、松村円(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 学芸員)
展覧会URL:https://www.mimoca.jp/exhibitions/otakeshinro0801/

 

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館では、1970年代後半から半世紀におよぶ幅広い活動を通じ、絵画を中心に膨大かつ多様な作品を制作、発表してきた大竹伸朗の個展「大竹伸朗展 網膜」を開催する。2013年の「大竹伸朗展 ニューニュー」以来、同館では12年ぶりの個展となる本展は、その制作活動を考える上で重要な位置を占める〈網膜〉シリーズに焦点を当て、その変遷を辿るとともに、大竹の現在地を示し、これからの展開を予感させる内容を目指す。

大竹伸朗(1955年東京都生まれ)は、武蔵野美術大学入学直後に休学し、北海道とイギリスで滞在制作を行ない、復学後80年に卒業。82年にギャルリー・ワタリで初個展を開催。1989年にはICA名古屋を皮切りに、アメリカ合衆国の複数の都市を巡回した『アゲインスト・ネイチャー:80年代の日本現代美術』、1999年の『日本ゼロ年』(水戸芸術館現代美術ギャラリー)、『時代の体温 ART/DOMESTIC』(世田谷美術館)などに参加し、2006年には東京都現代美術館全館を使った大規模回顧展『全景』を開催。その後も、ドクメンタ13(2012)、第55回ヴェネツィア・ビエンナーレ企画展「エンサイクロペディック・パレス」(2013)をはじめとする国内外の主要な国際展に参加、東京国立近代美術館での大規模個展(富山県美術館)を開催するなど、精力的に作品を発表している。そのほか、直島、豊島、女木島(女木島は瀬戸芸会期中のみ)、札幌市生涯学習センター、愛媛県伊方町などのパブリックワークも手がける。執筆活動においても、最新エッセイ集『絵の音』(新潮社)の刊行が8月末に控えており、これまでもエッセイ集『ナニカトナニカ』(2018)、『見えない音、聴こえない絵』(2008)『ビ』(2013)(いずれも新潮社)、絵本『ジャリおじさん』(福音館書店、1993)など、多数の著作を発表している。

 

「大竹伸朗展 ニューニュー」での展示風景(2013年、MIMOCA) ©Shinro Ohtake Photo by Masahito Yamamoto

 

本展が焦点を当てる〈網膜〉シリーズは、1988年に露光確認用に使用された後、廃棄されたポラロイド・フィルムを入手したことがきっかけとなり、制作の拠点を移した宇和島のアトリエで着想された。1989年から1990年代初頭にかけて、集中的に取り組まれた後も、他のシリーズへの展開を伴いながら断続的に制作が続けられている。網膜とはそもそも眼球の最奥にある、光を感受し視神経を介して脳に情報として伝える機能を担う薄い透明の膜を指すが、大竹は、ポラロイド・フィルムに残された光の痕跡を大きく引き伸ばし、その表面に透明の絵具としてウレタン樹脂を塗布する絵画作品のシリーズに〈網膜〉の名を付している。

本展では、アトリエに30年以上保管してきたフィルムを用いて、MIMOCA館内で制作した新たな大型の〈網膜〉12点を発表。また、〈網膜〉に音と光を組み込んだ高さ約3mのレリーフ状の巨大な新作《網膜/六郷》(2025)や、1990年代初頭に制作された未発表の大型作品の〈網膜〉をはじめ、これまで目にすることのなかった貴重な作品群を初展示。平面からインスタレーションまで多様な表現で展開する大竹の〈網膜〉の世界を、新たな視点から提示する。

 

大竹伸朗《網膜/漠悸》1989-2024年 ©Shinro Ohtake Photo by Shimpei Yamagami
大竹伸朗《網膜/発光ウィルス》1989-2024年 ©Shinro Ohtake Photo by Shimpei Yamagami

 

関連プログラム(その他のプログラムは決まり次第、公式ウェブサイトに掲載)
オープニング・トーク
2025年8月2日(土)16:00–17:30
講師:大竹伸朗(出品作家)
聞き手:中田耕市(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 副館長兼チーフ・キュレーター)
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 2階ミュージアムホール
定員:150名(当日11:00より会場前にて整理券を発行 ※整理券は1名につき1枚まで)
料金:無料
※当日はナイト・ミュージアム(夜間特別開館)のため、20:00まで本展および常設展を観覧可。
https://www.mimoca.jp/events/ohtake-opening-talk2025/

ナイト・ミュージアム(夜間特別開館)
2025年8月2日(土)、8月23日(土)、10月4日(土)、11月8日(土)
通常18:00閉館のところ、20:00まで開館時間を延長。(入館は閉館30分前まで)
https://www.mimoca.jp/events/202508-11-mimocanightmuseum/

キュレーター・トーク
2025年8月3日(日)、9月7日(日)、10月5日(日)、11月2日(日)各日:14:00–
参加料:無料(別途、本展観覧券が必要)、申込不要
※本展担当キュレーター(中田耕市、古野華奈子、松村円)が展示室にて見どころを解説
https://www.mimoca.jp/events/ohtake-curator-talk2025/

親子でMIMOCAの日
2025年10月18日(土)、10月19日(日)10:00–18:00(入館は閉館30分前まで)
※高校生以下または18歳未満の観覧者1名につき、同伴者2名まで観覧無料。

開館記念日 MIMOCA’S BIRTHDAY
2025年11月23日(日、祝)
※全館入場無料。関連イベントを開催。

 


同時開催
常設展「猪熊弦一郎展 Since 1955」
2025年8月1日(金)–11月24日(月・休)
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
https://www.mimoca.jp/exhibitions/since1955/

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