
開館30周年記念コレクション展
VISION 星と星図 | 星図Ⅰ:社会と、世界と
2025年6月21日(土)-9月15日(月・祝)
豊田市美術館
https://www.museum.toyota.aichi.jp/
開館時間:10:00–17:30 入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、7/21、8/11、9/15は開館)
展覧会担当:千葉真智子(豊田市美術館学芸員)、石田大祐(豊田市美術館学芸員)
展覧会URL:https://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/collection_2025a/
豊田市美術館では、2025年6月から2026年3月までの10カ月間を3つの会期に分け、そのコレクションを見つめ直す「開館30周年記念コレクション展 VISION 星と星図」を開催する。
個々の作品が、ひとつの星のように個別の性格をもった単独の存在でありながら、他の作品と関係し合い、像を結ぶことによって、複雑で豊かな星図を描き出す「星と星図」と題された開館30周年記念コレクション展では、各会期とも展示室1から展示室5の部屋ごとに、豊田市美術館を特徴づけてきた作品群や、同館の展示室にあわせて制作されたインスタレーション作品により展示を構成する。
「星図Ⅰ:社会と、世界と」を副題とする第1期(6月21日-9月15日)の展示室1を飾るのは、国内屈指のコレクションとされる戦後イタリア美術アルテ・ポーヴェラや戦後ドイツ美術の作品群。京都の元離宮二条城でのアジア最大規模の個展「SOLARIS」(2025年3月31日-6月22日)が話題のアンゼルム・キーファーによる横幅560センチにおよぶ大作《飛べ! コフキコガネ》(1990)も11年ぶりに展示する。続く展示室2では、2003年の個展「移行|場/作品」の際に同空間にあわせて制作されたダニエル・ビュレンの《ファクシミリより場所へ》を22年ぶりに再現展示。



1980年代から90年代初頭の一時期に日本の現代美術の中心地といわれ、活況を呈した愛知では、こうした戦後ヨーロッパ美術を代表する作家たちの作品を紹介し、活動を始めたばかりの若き作家たちがそれらの作品に実際に触れる機会を得ていた。展示室3では、そんな愛知を拠点に活動した作家たちや、愛知を活動の出発点にその後拠点を海外に移して、その地で自分たちのスタイルを確立した作家たちをまとめて取り上げる。
展示室4では、2023年開催の企画展「未完のはじまり―未来のヴンダーカンマー」にあわせて制作出品され、昨年度、寄贈を受けた田村友一郎の《TiOS》を再構成。展示室2のビュレンの《ファクシミリより場所へ》と併せて鑑賞することで、この数十年におけるインスタレーション作品の在り方の変化を窺うことができる。そして、展示室5では、ペーター・ベーレンスの工業製品など、開館初期に重点的に収集されたモダン・デザインのコレクションを中心に紹介する。



芸術は政治・社会と少なからぬ関わりを持っており、とりわけ戦後イタリア、ドイツでは、急速に変化していく資 本偏重の社会において、芸術がいかに存在し得るかが実践的に模索された。一方、戦前へと時代を遡ってみれば、合理性や機能性を掲げたモダン・デザインこそが、社会と芸術との接合を目指す試みであったことも窺い知ることができる。各部屋を横断しながら、大きな時代の流れとともに、時代や場所を越えて共有される複数の思考の糸を実感する機会となる。
会期中の関連イベントは、決まり次第公式ウェブサイトに掲載。なお、豊田市美術館では同時期の展覧会として、パリのマルモッタン・モネ美術館が所蔵する日本初公開作品を含むおよそ50点に、日本各地に所蔵される作品を加え、日本では過去最大規模となる〈睡蓮〉が集う貴重な機会「モネ-睡蓮のとき」を開催。
同時期開催
モネ-睡蓮のとき
2025年6月21日(土)-9月15日(月・祝)
豊田市美術館
https://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/モネ-睡蓮のとき/
特設ウェブサイト:https://monet2025-toyota.com/