オノ・ヨーコ《Mind Object I》1960/1966年 ©Yoko Ono, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
オノ・ヨーコ「A statue was here 一つの像がここにあった」
2025年6月10日(火)-7月5日(土)
小山登美夫ギャラリー六本木 /小山登美夫ギャラリー天王洲
https://tomiokoyamagallery.com/
開廊時間:11:00–19:00(天王洲スペースは18:00まで)
休廊日:日月祝
キュレーター:コナー・モナハン(オノ・ヨーコ・スタジオ ディレクター)
展覧会URL:https://tomiokoyamagallery.com/exhibitions/yokoono2025/
小山登美夫ギャラリー六本木と天王洲の両スペースでは、70年以上にわたるキャリアを通して、アート界のみならず社会的にも影響を及ぼしてきたオノ・ヨーコの個展「A statue was here 一つの像がここにあった」が同時開催される。
オノ・ヨーコ(1933年東京都生まれ)は、1950, 60年代に観客や参加者との相互の関係性を重視したフルクサスに関わり、ニューヨークの前衛芸術の中心的な存在として既存のジャンルに囚われない多彩な表現活動を展開。インストラクション、オブジェ、映画、音楽、パフォーマンス、インスタレーションなど、多様な表現で、鑑賞者の想像力と行為を引き起こす作品を今日に至るまで発表してきた。1952年に学習院大学哲学科に入学、1953年に家族とニューヨークに転居し、サラ・ローレンス大学で音楽と詩を学ぶ。ニューヨークの前衛運動に関わり、1962年に東京に転居。青山の草月会館ホールで《インストラクション・ペインティング(指示の絵)》(1962)や《カット・ピース》(1964)などを発表し、作品集『グレープ・フルーツ』(1964)を出版。その後アメリカ合衆国へ渡り、世界中で展覧会やパフォーマンスを行なった。1990年代に入ると自身に関わるさまざまな暴力と、世界に起きた戦争などの暴力の記憶が交差するようなテーマを掘り下げ、現在ではインターネットを通じて多くの人々と交信し、世界中にメッセージを発信し続けている。2009年の第53回ヴェネツィア・ビエンナーレで生涯功績部門金獅子賞を受賞。近年の主な個展に、「Yoko Ono: Music of the Mind」(テート・モダン、ロンドン、2024)、「YOKO ONO: FROM MY WINDOW」(東京都現代美術館、2015-2016)、「Yoko Ono: One WomanShow, 1960-1971」(ニューヨーク近代美術館、2015)、「第8回ヒロシマ受賞記念 オノ・ヨーコ展 希望の路 YOKO ONO 2011」(広島市現代美術館)など。現在、ベルリンのノイエ・ナショナルギャラリー、新ベルリン美術協会(n.b.k.)、マルティン・グロピウス・バウなど3カ所以上で個展が同時開催中。
オノ・ヨーコ《Mind Object II》1966/1967年 ©Yoko Ono, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
オノ・ヨーコ《Mend Painting》1966年 ©Yoko Ono, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
オノ・ヨーコ《Three Lives》2019年 ©Yoko Ono, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
本展では、鑑賞者の参加型行為を誘う、オノのコンセプチュアルなアプローチを反映した作品を展開。六本木のスペースでは、白と透明色のアクリルと既製品を組み合わせた「コンセプチュアル・オブジェクト」に焦点を当てる。初めてのオブジェ作品のうちの一部であり、鑑賞者の心の中でひとつのオブジェクトを創造するように促す《Mind Object I》(1960/1966)や、「NOT TO BE APPRECIATED UNTIL IT’S BROKEN(壊れた時に鑑賞しなさい)」と刻まれたプレキシガラスの台にガラスの瓶が乗った《Mind Object ll》(1966/1967)を展示。また、1966年にロンドンのインディカ・ギャラリーで開催された個展で初めて発表し、壊れた器を「直す」ように来場者を誘う《Mend Piece》を、本展では能登半島地震により破損した白磁の破片を使い発表。さらに、3つの楕円形の鏡により鑑賞者が変化していく様が反映される《Three Lives》(2019)を初公開する。
天王洲のスペースでは、鑑賞者の自由な参加とパフォーマンスを促す作品を主に展示。鑑賞者が包帯を球体状に巻き、展覧会を通じて大きさを増し、手当、保護、覆うなどの行為の意味を喚起する《Wrapping Piece》(1962/66)や、ペンで白いキャンバスに丸を描くことができる《Draw Circle Painting》(1964)を展開する。
オノ・ヨーコ《Fly Piece》1963/1998年 ©Yoko Ono, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
オノ・ヨーコ《Franklin Summer》1995年 ©Yoko Ono, Courtesy of Tomio Koyama Gallery