AAC所蔵資料展6《大ガラス東京ヴァージョン》ガラス・スタディ アーカイヴ展 @ 多摩美術大学アートアーカイヴセンターギャラリー


デザイン:加藤勝也

 
AAC所蔵資料展6

《大ガラス東京ヴァージョン》ガラス・スタディ アーカイヴ展
前期|2025年3月1日(土)-3月15日(土)
後期|2025年4月1日(火)-5月17日(土)
多摩美術大学アートアーカイヴセンターギャラリー(八王子市鑓水2−1723)
https://aac.tamabi.ac.jp/
開館時間:10:00–17:00 ※3/1(土)は17:30まで延長開館
休館日:日、5/1–5/4
展覧会URL:https://aac.tamabi.ac.jp/2025/3666.html

 

多摩美術大学アートアーカイヴセンター(AAC)ギャラリーでは、6回目の所蔵資料展として「《大ガラス東京ヴァージョン》ガラス・スタディ アーカイヴ展」を開催する。

既製品の便器にサインをした《泉》という作品で、既存の「アート」の概念を大きく揺るがし、現代美術の先駆者ともいわれるマルセル・デュシャン(1887-1968/フランス生まれ)。代表作《彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも》(通称:大ガラス)は、1915年に制作が開始され、1923年に未完成のまま残された2枚のガラス板によるオブジェで、1926年の輸送中にガラスがひび割れたものがフィラデルフィア美術館に収蔵されている。移送が困難なため、展覧会の機会などにこれまで3点のレプリカが制作されており、アジアにおける唯一のレプリカ《大ガラス東京ヴァージョン》(1980、東京大学駒場博物館蔵)は、日本における長年のデュシャン研究の成果により実現。デュシャンの死後、彼と交流のあった批評家の瀧口修造と東野芳明が監修を務め、東京大学と多摩美術大学の学生らがファブリケーター(制作者)となって制作された。レプリカの制作に先立ち、多摩美術大学の学生らは試作群を手がけており、その一部が同大学に保管されていたが、2024年に、デュシャンの遺品を管理し作品を世界に広めるマルセル・デュシャン・アソシエーションの承認を受け、同試作群をほかの関連資料群とともにAACで正式にアーカイヴ化することが決定。本展では、デュシャンと交流を重ねた東野がどのようにレプリカ制作への道筋を開き、国際的ネットワークから情報を収集して監修したかの経緯を、豊富な資料によって振り返り、その意義を考察する。

 


デザイン:加藤勝也

 

またアーカイヴ化を記念し、ヨーロッパと日本で制作された《大ガラス》のレプリカと関連資料を考察する初めての機会として、多摩美術大学アート アーカイヴセンターと国立アートリサーチセンターにより、国際シンポジウム「マルセル・デュシャン《大ガラス》レプリカをめぐって——ストックホルム・ロンドン・東京・パリ」を、3月1日(土)に多摩美術大学八王子キャンパスにて開催する。ストックホルム、ロンドン、パリ、そして東京から、レプリカ所蔵機関のキュレーターや研究者らが一堂に会し、それぞれの制作経緯と歴史、関連アーカイヴを含めたレプリカの保存と活用について情報を共有するとともに、デュシャンの代表作をレプリカの視点から見直し、同レプリカが持つ特性やアーカイヴ化することの意義、今後の具体的な活用のアイディアを提案する。

 


左から:アンナ・テルグレン、ナタリア・シドリーナ、パスカル・ゴブロ、光田由里

 

関連イベント
第7回多摩美術大学アートアーカイヴシンポジウム・NCARシンポジウム004
マルセル・デュシャン《大ガラス》レプリカをめぐって——ストックホルム・ロンドン・東京・パリ
2025年3月1日(土)13:30–16:30
登壇:アンナ・テルグレン(ストックホルム近代美術館 写真部門キュレーター、リサーチ部門長)、ナタリア・シドリーナ(テート美術館 国際近代美術部門キュレーター)、光田由里(AAC所長、多摩美術大学大学院教授)、パスカル・ゴブロ(映像作家)、折茂克哉(東京大学大学院総合文化研究科 駒場博物館助教)、有福一昭(有明教育芸術短期大学教授)
会場:多摩美術大学八王子キャンパス レクチャーAホール
定員:先着200名(事前登録制)
参加費無料、日本語/英語(同時通訳あり)
同時配信無し(後日アーカイヴをAACウェブサイトに掲載予定)
申込締切:2月28日(金)23:59まで(定員に達し次第受付終了)
申込方法:Googleフォームより申込
https://forms.gle/nZbHTrRe8x4JhpEC9

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